2006 Fiscal Year Annual Research Report
個性ある風景創成に向けたカルチュラル・ラルドスケープの継承性に関する研究
Project/Area Number |
17580033
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
下村 泰彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (50179016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 昇 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00181652)
加我 宏之 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (00326282)
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Keywords | 風景 / カルチャラル・ランドスケープ / 都市景観 / 地形 / 景観計画 / 図と地 / 視点場 / 視対象 |
Research Abstract |
本年度は、ミクロスケールから捉えたカルチュラル・ランドスケープの風景構造を、好まれる風景を現地で撮影した写真を用いて、視点場特性および視対象特性から捉えた。その結果、視点場の特性として、まず「場所の特性」については、公園等のオープンスペースを視点場とする景が全体の約34%と最も多く、橋の上(約22%)や、道路上が(約18.3%)と多くなっていた。特に、中之島周辺や大川などに掛かる橋を視点場とした風景が多く、水の都といわれた大阪の特徴が受け継がれていることがわかった。「視線の角度」では、水平な角度が約44%と最も多く、大阪の起伏の少ない地形構造が好まれる風景の創出に反映されている。また、河川での俯瞰や水平方向が多かったが、このことは流軸方向への視線を裏付けている。上町台地や大阪湾の臨海部では、風景の視点場の5割弱がオープンスペースであり、建て詰まりのない広がりのある場所が選択されていた。視対象については、大阪の特徴である平坦な地形が捉えられることや河川流路、河川合流・分岐点、港湾、池、干潟などの水面に関連したものが多く、さらに上町台地といった微地形も僅かながら捉えられていた。視対象の要素では、人工物が「図」となる景観が多く、ランドマーク的な高層建築物や城、橋といった単体建造物、街並みといった建築物群が捉えられていた。自然物は公園植栽や河川敷の植栽などのまとまった緑空間であった。「地」となる要素は河川水面や海、河川敷などの自然物が多く、高層高密化した都市内部では、大川や中之島周辺の河川が視点場において視対象を全体的にもしくはバランスよく見渡せるための重要な空間であり、いわゆる引き空間を提供していた。路面も「地」として多く捉えられており、引き空間として重要であるとことがわかった。
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