2005 Fiscal Year Annual Research Report
大都市近郊部の農空間保全に向けたランドスケープマネージメントシステムに関する研究
Project/Area Number |
17580034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
増田 昇 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (00181652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 泰彦 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助教授 (50179016)
加我 宏之 大阪府立大学, 生命環境科学研究科, 助手 (00326282)
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Keywords | アーバンフリンジ / 農空間 / ルーラルプランニング / ランドスケープ / マネージメント / 景観計画 / GIS / 住民参加 |
Research Abstract |
大都市近郊部の農空間の保全に向けて、地域レベル、地区レベルといった2つの空間スケールにおいて、農地の残存形態、住民まちづくり活動の社会実験とその検証、さらに地域環境資産として生活者が好む風景の魅力を探った。 地域レベルでは、大都市近郊部に位置する大阪府堺市の市街化調整区域を対象に農地・山林の残存形態についてGISを用いて把握した。市域北部の段丘(中・低位)、東部の段丘(高位)の端部、西部から南部にかけて小起伏丘陵地に楔状に広がる扇状地性低地に水田集中型の農空間が存在し、東部の段丘(高位)の北端部に畑集中型、南部の小起伏丘陵地に山林型が存在していることが明らかとなった。さらに、1900年からの農地転用許可の推移を捉え、北部の段丘(中・低位)において農地転用が多いことが明らかとなった。 地区レベルでの検討では、堺市北部地区を対象に、地域住民と自治体、本研究グループとのパートナーシップによって農空間保全に向けた住民主体のまちづくり活動の社会実験を展開した。分析では、今年度までの住民まちづくり活動を詳細にトレースし、まちづくり活動の発展プロセスを検証した。その結果、地区のまちづくり活動の主体となる住民組織が各種の地元組織との連携に関わる調整機能を発揮し、地区の実情に応じた組織体制づくりを行ったこと、さらに地区の課題整理に係る各種調査の分析、ビジョン等のプラン策定などの専門的な領域に対して行政や大学の支援が有用であることを明らかにした。 さらに、小起伏丘陵地端部に位置する地区を対象に、写真投影法を用いて生活者に好まれる風景調査を実施し、生活者が好む風景の視点場、視対象の目録化を通じて、骨格パス・サブパス、ノード、ディストリクト、骨格エッジ・サブエッジ、ランドマークの5つの視点から地区の景観構造特性を明確化し、視対象の中で緑の含まれる景の分析を通じて、景観構造特性を支える緑の果たす役割を明らかにした。
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Research Products
(1 results)