2006 Fiscal Year Annual Research Report
植栽及び自然景観の認知と人間の生理機能変化との関係の明確化
Project/Area Number |
17580035
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山本 聡 兵庫県立大学, 自然・環境科学研究所, 助教授 (10231672)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 寛 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (70316040)
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Keywords | 解析・評価 / ストレス / 視線解析 / 唾液コルチゾール / 植栽景観 / 生理・心理的効果 |
Research Abstract |
人間の心理的機能は視覚的刺激の変化に影響され、それに伴い生理的機能も変化すると言われている。また、植物から発散される香気成分によっても人間の生理的機能が影響を受けることも研究されつつある。このような状況の中、本研究では都市内に存在する緑地を題材に、その見え方の違い、すなわち視認状況の相違や香りなど緑地との接触形態の違いによる人間の生理的機能の変化についてストレスの緩和という指標により医学的見地を交えて明らかにすることを目的とした。 視認状況の違いによる調査では、都市内において撮影された緑視状況の異なる複数の景観写真を用いて室内評定実験によりストレス緩和状況を計測した。計測には唾液コルチゾール測定キットおよび唾液アミラーゼを指標とした計測キットを用いた。その結果、唾液コルチゾールを指標としたストレス緩和実験からは、緑地景観と都市景観では短時間でのストレス緩和効果の明確な違いは確認出来なかった。但し、ストレス反応の変化率が緑地景観を視認した被験者群の方が小さい傾向があり、生理反応を安定化させる可能性が示唆された。唾液アミラーゼを指標としたストレス緩和実験からは、緑地景観は短時間でのストレス緩和効果がある可能性が示唆された。 緑地との接触形態の相違による調査では、ラベンダー畑等の植栽地内部での検証実験として、血圧、脈拍、唾液アミラーゼ濃度といった生理的指標およびSD法による印象評価による心理的指標から検証した結果、芝生地は「休息」の場所として、ラベンダー畑は「気分転換」の場所として評価できると考えられた。 両実験を通じて、緑地には一定の癒し効果がある可能性が示唆されるものの、唾液によるストレス反応は短時間での反応計測を行うことは難しく、一定時間以上の作業や実験時間が必要であると考えられた。今後、植栽パターンを追加した実験により詳細な検証が可能と考えられた。
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Research Products
(2 results)