2006 Fiscal Year Annual Research Report
タバコモザイクウイルス抵抗性遺伝子を介した植物細胞死誘導機構
Project/Area Number |
17580038
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
丹生谷 博 東京農工大学, 遺伝子実験施設, 教授 (60135936)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠原 賢洋 立命館大学, 理工学部, 助教授 (70361748)
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Keywords | タバコモザイクウイルス / 抵抗性遺伝子 / N遺伝子 / 細胞死 / ヘリカーゼドメイン / TIR / NBS / LRR |
Research Abstract |
タバコモザイクウイルス(TMV)抵抗性遺伝子(N)はウイルス感染により過敏感応答を伴う細胞死を誘導して,宿主細胞内にウイルスを閉じ込めて感染拡大を防ぐ働きがある。我々は,N遺伝子の機能解明を目指して,N類似遺伝子のcDNAを多数単離して解析を行った結果,N類似cDNAには配列上の類縁関係から4つのグループ(A〜D)が存在することが分かった。これらのうち,N遺伝子と相同性の高い2つのN類似cDNA (NL-C26,NL-B69)を代表的クローンとして選定し,それらの全長cDNAを単離した。これらの全塩基配列を決定した結果,NL-C26とNL-B69はN遺伝子と同様のTIR-NBS-LRRクラスに属し,N遺伝子とアミノ酸レベルでそれぞれ78,73%の相同性を示した。次に,NL-C26,NL-B69の機能ドメイン(TIR, NBS, LRR)をN遺伝子の対応するドメインと置換したキメラcDNAを作製し,アグロインフィルトレーション法によりウイルス複製酵素のヘリカーゼドメインp50と共にN.tabacum cv.Samsun nnの葉で発現させた。その結果,NL-C26のTIR, NL-B69のTIR, NL-B69のNBSのいずれかを使用したキメラは明確なHRを誘導したが,NL-C26やNL-B69のLRRを使用したキメラ等はHRを誘導しなかった。以上より,NL-C26のTIR, NL-B69のTIRとNBSにはN遺伝子の機能にとって重要なアミノ酸が保存されていること,また,HR誘導にとってN遺伝子のLRRはN類似遺伝子のドメインには代えられないことが判明した。タバコから機能性ドメインを有するN類似遺伝子の発見は画期的であり,N遺伝子のcDNAを導入した一過性発現でHRを誘導できる系の確立は今後の機能解析に非常に有用である。
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Research Products
(2 results)