2006 Fiscal Year Annual Research Report
様々なトリコテセン毒素を生産するフザリウム属菌の毒素生合成遺伝子の単離と解析
Project/Area Number |
17580043
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Research Institution | RIKEN |
Principal Investigator |
木村 真 The Institute of Physical and Chemical Research, 工藤環境分子生物学研究室, 先任研究員 (20261167)
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Keywords | 赤かび病 / トリコテセン系毒素 / ニバレノール / フザリウム属菌 / 生合成遺伝子 / ケモタイプ / 食の安全・安心 / 二次代謝 |
Research Abstract |
4-acetylnivalenol(4-ANIV)を生産するFusarium graminearumは,フザリウム型type Bトリコテセンの中で最も生合成に要する経路数が多いと考えられる。そこで4-ANIVと4,15-acetylnivalenol(4,15-ANIV)を混合生産する菌株を用い、トリコテセンの側鎖多様性を生み出す遺伝的メカニズムを明らかにすることを目指してtype Bトリコテセン生合成遺伝子(Tri遺伝子)の機能と生合成経路の解析を行なった。まず、FgTri1を標的遺伝子破壊したところ、主にcalonectrin(CAL)が蓄積し、C-4位が水酸化されたトリコテセンは検出されなかった。このことから、type BトリコテセンではA ringの修飾が起こってからC-4位の水酸化が起こることが示された。一方、C-4位にアセチル基が入らないようにC-4位水酸化酵素遺伝子やアセチル化酵素遺伝子を破壊した株では、C-15位が脱アセチル化された代謝産物が検出できなかった。このことから本菌株のC-15位脱アセチル化酵素は、4,15-ANIVのみを基質として作用できることが示された。そこで、本菌株からcell free extractを調整し、硫安分画を行なったところ、4,15-ANIVを脱アセチル化する酵素活性を検出することに成功した。本酵素を陽イオンカラムクロマトグラフィーによって部分精製したところ、至適pHを4付近にもつ酸性デアセチラーゼであることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)