2006 Fiscal Year Annual Research Report
幼若ホルモンレセプター(Met遺伝子産物)の分子解剖と標的遺伝子の探索
Project/Area Number |
17580045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三浦 健 名古屋大学, 大学院生命農学研究科, 助教授 (60219582)
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Keywords | 幼若ホルモン / methoprene-tolerant / ダイオキシンレセプター |
Research Abstract |
ショウジョウバエのmethoprene-tolerant遺伝子産物(以下MET)を中心とした解析を行ない、以下の結果を得た。また、用いた因子のうち、新規なもののデータベースへの登録を行なった。 1.METとおなじくbHLH-PASファミリーに属する転写因子、GceとTgoのcDNAクローニングを行ない、これら3因子からそれぞれin vitroでタンパクを作成し、ランダムな部分を含む75 merの2本鎖オリゴDNAに対して種々のタンパク組み合わせでゲルシフトアッセイを行ない、PCRによるMETの結合配列の淡縮を行なった。数ラウンドの濃縮の後、特定の組み合わせで有為に増幅されるオリゴDNA集団を得た。 2.蚊のダイオキシンレセプターホモログを構成するAhrとArntを用いたレポーターアッセイを行ない、a)ダイオキシン応答配列を持つルシフェラーゼレポーターからの転写をAhrの発現が有為に増強すること、b)AhrはJHを結合しないこと、c)Ahrは応答配列に結合しないこと、d)METの発現はこの系に影響を及ぼさないことを確認した。以上から、METに依存しないJHシグナリング系の存在が示唆された。 3.蚊のEstrogen receptor-related receptor(ERR)を用いたレポーターアッセイを行なった。Choristoneura fumiferanaのJHエステラーゼ遺伝子調節領域で見いだされたJH応答配列とされる配列を用いたところ、ERRの発現によりレポーター活性が穏やかに上昇することが観察された。さらにERRの発現はS2細胞でのエクダイソンシグナリングを阻害することを明らかにし、ERRは同じ核内レセプターファミリーに属する因子であるエクダイソンレセプタータンパクあるいはUSPタンパクと相互作用することが推察された。
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