2006 Fiscal Year Annual Research Report
フライトシミュレータによる飛行昆虫の化学定位行動の解析
Project/Area Number |
17580046
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐久間 正幸 京都大学, 農学研究科, 教授 (40135554)
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Keywords | 昆虫 / 行動 / 定位行動 / 飛行 / 嗅覚 / フェロモン / バーチャルリアリテイー / ロボティクス |
Research Abstract |
開発したフライトシミュレータは、風と匂いを送る風洞、虫の動きを検知するセンサ、パターンの流れを床面に投影する液晶ディスプレイと計測制御用コンピュータで構成される。ディスプレイの上空に懸架した供試昆虫に画像の流れを見せ、それに反応した虫の動きをセンサで捉えて、画像の動きにフィードバックする制御をおこなった。入出力を高度に統合しリアルタイムにパラメーターの微調節をおこなうため、計測制御用プログラム言語のLabView 7.1(National Instruments)を新たに採用した。平成18年度の前半は、C言語で記述した既存の移動運動補償装置のプログラムのLabViewへの移植作業をおこなった。昆虫の飛行中の運動出力の検出を、姿勢をモニターして間接的に進路を推定する方法と、懸架した昆虫の発する揚力と推進力を直接測定する方法とで行なった。前者の場合、供試昆虫のカイコ♂成虫の尾端の動きをフォトダイオードセンサで検出して、ゲームポートから入力する。この方法では羽ばたきによる推進力の検出は原理的に不可能なので、常に一定速度で前進しているものとして、尾端の曲がる角度を転回角速度に反映させた。一方、昆虫の発生する力を直接検出する方法では、供試虫の背板に接着したクォーツファイバーの動きを、エアーサスペンションで水平に支えたディスク中央のチューブを通すことで三次元に分解し、ファイバー末端の光点をビデオトラッカーで追尾する方法をとった。水平の変位を積算して位置情報を求め、相当する座標がディスプレイの中央に常に表示するように画像の流れを制御した。また垂直の動きから、ズーミングを変化させることで、高度変化を視覚的に作り出した。いずれの場合もフェロモンを断続的に加えることで進路の制御が可能であった。以上のように飛行昆虫の嗅覚行動の試験を行なうフライトシミュレータの実証試験に成功した。
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Research Products
(1 results)