2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580058
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
塚本 久美子 東京大学, 海洋研究所, 技術専門職員 (30396923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 実 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70292860)
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Keywords | 発光細菌 / 細菌の種の定義 / 共生 |
Research Abstract |
発光細菌P.leiognathiは、4種類の異なる宿主に共生する共生発光細菌である.この細菌が宿主に応じた分化をとげていることは,我々の研究ですでに明らかになっている.この申請では,4種類の宿主との共生により分化しつつあるP.leignathiを用いて,そのゲノム構造や遺伝子の変異を解析することにより、現在の細菌の種の定義を再検討することを目的としている。今年度の研究内容およびその結果は下記のとおりである. 1)供試菌の収集 4種類の宿主の分離菌株のうち,供試菌株数が少なかったケンサキイカの共生細菌を分離した.ケンサキイカは壱岐漁港からの直送空輸便で入手した.漁獲シーズンである6,7,8月に分離を試み,ケンサキイカ発光器から合計75株を分離し,保存した. 2)遺伝子の分子遺伝学的解析 昨年度解析を行なったgyrB (DNA gyrase B subunit)に加え,gapA (Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)、ftsz (Cytoskeletal cell division protein)、mreB (Actin-like cytoskelton subunit B)、topA (topoisomerase)遺伝子も対象に解析をすすめた.それぞれの遺伝子に対応したプライマーを設計し,遺伝子配列を決定した.得られた個々の遺伝子で作成した系統樹では,gyrBと同じく,宿主による特徴的な違いは見られなかった.これら5遺伝子の遺伝子配列は,4宿主から分離されたP.leiognati間の違いを検出するには保存性が高すぎるという結果となった.今後は,得られたすべての遺伝子配列を連結して解析できるMLST解析やスピリット解析を行ない,4種類のP.leiognathi間の違いの程度を明らかにする.得られた結果をふまえ,細菌の種の定義を再検討する.
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Lux Agene of light organ symbionts of the bioluminescent fish Acropoma japonicum (Acropomatidae) and Siphamia versicolor (Apogonidae) forms a lineage closely related to that of Photobacterium leiognathi ssp. mandapamensis.2006
Author(s)
Wada, M., Kamiya, A., Uchiyama, N., Yoshizawa, S., Kita-Tsukamoto, K., Ikejima, K., Yu, R., Imada, C., Karatani, H., Mizuno, N., Suzuki, Y., Nishida, M., Kogure, K.
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Journal Title
FEMS Microbiology Letters 260
Pages: 186-192
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