2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580063
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
河合 啓一 岐阜大学, 応用生物科学部, 教授 (00002064)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩間 智徳 岐阜大学, 応用生物科学部, 助教授 (60252128)
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Keywords | 微生物 / 希土類元素 / ユウロピウム / サマリウム / ランタン / Methylobacterium / メタノール脱水素酵素 / Nevskia ramosa |
Research Abstract |
1)Methylobacterium sp.Eu-1株 ユウロピウム存在下でコロニー径が大きくなったEU-1株は,通性メチロトローフの一種であるMethylobacterium属と同定された。また,サマリウムでも同様のコロニー径の拡大が観察された。しかしながら、炭素源としてメタノールを用いた場合には,サマリウムのみが生菌数を10倍ほど増加させることが分かった。そこで,メタノール脱水素酵素について検討を加えた。その結果,EU-1株がメタノール脱水素酵素を有していること,さらにサマリウムの添加により酵素活性が約2.5倍上昇し、Smが酵素レベルで作用していることが分かった。また,培養時にランタンやセリウムを添加すると,メタノール脱水素酵素活性が著しく上昇することが分かり,ランタンやセリウムが本菌株のメタノール脱水素酵素の活性発現に深く関与していることが明らかとなった。 2)Nevskia ramose EU-2株 Eu含有軟寒天培地上でNevskia ramosa EU-2株はEu無添加時に比べかなり大きなコロニーを形成することから,Euが本菌株の運動性に関与していることが窺われた。液体培養において,Eu添加により本菌株の生菌数が著しく増加した。Eu無添加時の生菌数に大きなバラツキが認められたので、培養液の顕微鏡観察を行った。その結果,Eu添加時では細胞がバラバラになって増殖していたが,無添加の場合には,3〜10個程の細菌細胞が塊を形成していることが分かり,Euが凝集体の形成を阻害していることが窺われた。そこで、Eu無添加時に形成される凝集体の成分分析を行ったところ、多糖、たんぱく質およびその他の成分から構成されていること及びこの多糖の構成糖はグルコース(69%)とマンノース(18%),キシロース(2%)及びフコース(5%)であることが分かった。またO'Toole G.らの方法にて凝集体(バイオフィルム)形成初期段階である物質表面への付着能を調べたところ、EuやSmが物質表面への付着強く阻害することが分かり,EuやSmがバイオフィルム形成を阻害する働きがあることを示している。
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Research Products
(6 results)