2005 Fiscal Year Annual Research Report
酵母を用いたイネ三量体Gタンパク質を介するシグナル伝達経路の解明
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17580064
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
玉置 尚徳 京都大学, 生命科学研究科, 助手 (20212045)
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Keywords | Gタンパク質 / 酵母 / シグナル伝達 / イネ |
Research Abstract |
三量体Gタンパク質は、酵母から高等動物にいたるまで広く保存されており細胞の増殖・分化など様々な生命現象に関与している。近年、植物においても三量体Gタンパク質ホモログが見出されその機能解析が始められた。1999年には、イネ三量体Gタンパク質αサブユニットの遺伝子に変異のある株が同定された。この変異株は、植物の背丈が短くなる矮性ならびに種子の短粒などの表現型を示したことから、三量体Gタンパク質が植物の生育に関与する可能性が考えられた。 我々は、これまでに出芽酵母の三量体Gタンパク質αサブユニットであるGpa2を介するシグナル伝達経路の解析を行い、Gpa2と共役する受容体遺伝子GPR1をクローニングした。またGpr1,Gpa2がグルコース依存的に細胞内cAMPレベルを制御するグルコースシグナル伝達経路を構成することを明らかにした。本シグナル伝達経路の変異株では細胞のサイズ減少や菌糸様の増殖形態である偽菌糸形成不全などの劣性表現型が認められた。我々はイネ変異株に見られた矮性や短粒という表現型が酵母変異株における細胞のサイズ減少と近似していることに着目し、酵母変異株を用いた相補実験を行った。酵母変異株にイネGタンパク質αサブユニットを発現させたところ、変異株における上記の劣性表現型が回復することを見出した。 そこで本年度研究においては、グルコースシグナル伝達経路に変異のある酵母株(GPR1遺伝子破壊株およびGPA2遺伝子破壊株)の表現型を相補するイネの遺伝子をクローニングすることを目的として、イネcDNAライブラリーを構築し酵母変異株に導入し表現型によるスクリーニングを試みている。
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