2007 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウム耐性菌による酸性土壌の改良とアルミニウム耐性の分子機構
Project/Area Number |
17580065
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
河合 富佐子 Okayama University, 資源生物科学研究所, 教授 (60118007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金原 和秀 岡山大学, 資源生物科学研究所, 准教授 (30225122)
谷 明生 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教 (00335621)
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Keywords | Al耐性菌 / 酸性土壌 / Al耐性分子機構 / Al耐性カビ / Al耐性酵母 / Al耐性遺伝子 / Penicillium janthinellum F-13 / Rhodotorula glutinis IFO1125 |
Research Abstract |
世界の大地の約40%が酸性の不毛の大地である。他方、人口増加と環境悪化は不毛の大地の改善を緊急の課題としている。私達は酸性茶畑土壌から分離した超耐性菌Penicillium janthinellum F-13が高濃度のアルミニウム(Al)の除去/無毒化能力を有していることに着目して、これによる土壌改善を試みるとともに、本菌およびRhodotorula glutinis IFO1125で獲得された後成的耐性機構の機構解明を目的とした。そのため、1)本菌の応用と植物への効果や耐性機構を解明、2)土壌中のA1耐性菌の追跡方法の確立、3)酵母及びカビのAl耐性機構の分子解析、4)土壌の遺伝子解析を計画した。1)については、発表論文に見られるように緑化促進効果を確認した。また、本菌の遣伝子追跡のため、18Sから28S rDNA間の塩基配列を解読した(AB293968)(計画2)。R. glutinisのAl耐性機構はミトコンドリア活性と相関性があり、野生株と耐性株ではミトコンドリア形態と数に顕著な変化が生じていた。これについては現在、投稿中である。また、耐性関連遣伝子については近く、論文化して投稿を予定している(計画3)。しかし、Alの作用点に関しては、さらに検討が必要である。他方、タイの土壌および日本の茶畑土壌の菌叢解析をDGGEで行った(計画4)。これらの結果から、酸性土壌では菌叢構成が一般的に単純化し、正常土壌とは異なる菌叢が認められることを確認した。F-13株は酸性土壌の改善に効果があり、土壌中の菌の生残性の追跡は18-18S rDNA間の配列を用いて遺伝子レベルで可能である。また、本菌は長期生残性を示したので、応用性は極めて高いが、実用化にはさらに検討を要する。R.glutinisで見られたミトコンドリアの変化はAI毒性を示唆するものであり、酸性土壌における菌叢変化と合わせて、酸性雨や水系の酸性化の生態系に及ぼす悪影響が懸念される。
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Research Products
(1 results)