2006 Fiscal Year Annual Research Report
異なる形態の窒素要求性を示す植物の根面に棲息する硝化細菌の分布解析とその応用
Project/Area Number |
17580073
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
高橋 令二 日本大学, 生物資源科学部, 助教授 (70197193)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳山 龍明 日本大学, 生物資源科学部, 教授 (90059684)
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Keywords | 硝化細菌 / 植物根面 / 分子系統分類 / 分布解析 / 微生物群集構造 / norB / cbbL / pyk |
Research Abstract |
本研究は植物根面を対象として、特に主として利用する窒素形態の異なる植物種(好アンモニア態窒素性:イネ、ブルーベリー等、好硝酸態窒素性:オオムギ、ナス等)の根面における硝化細菌の分布を解析し、優占種の確定をおこなうことを終局目的とした。 現在アンモニア酸化菌の非培養系解析には、16SrRNA遺伝子由来のCTOプライマーやアンモニア酸化菌に固有のアンモニアモノオキシゲナーゼ(AMO)遺伝子の特定領域由来プライマーが汎用されているが、本研究では、昨年度に引き続き硝化細菌に適応するこれら以外の、より有効で高解像度のプライマーの探索ならびにより効率の良い解析の確立を目指した。 【研究実績】 (1)アンモニア酸化菌においては前年度のgap、pgkを指標とした分子系統分類に引き続きピルビン酸キナーゼ遺伝子(pyk)について塩基配列解析を行い、新規分子系統分類指標としての検討を加え、16SrRNA遺伝子では識別し得ないNitrosospira、Nitrosolobus、Nitrosovibrioの3属のさらに高感度での分類を可能にした。 (2)亜硝酸酸化菌に特有な亜硝酸酸化還元酵素遺伝子(norB)、アンモニア酸化菌及び亜硝酸酸化菌に共通のRubisCO遺伝子(cbbL)について、当研究グループにより既に得られた分離菌株及び本研究における新規分離菌株の配列決定を行い、解析用プライマー設計の基礎データを得た。 (3)好アンモニア態窒素性及び好硝酸態窒素性の各種植物根面環境を分離源とし、新規分離株を多数得た。特にタイの酸性硫酸塩土壌に生息するギンネム(好硝酸態窒素性)根面より分離したアンモニア酸化菌は、高いウレアーゼ活性や銅耐性を示し、機能解析の対象として有用な菌株を得るに至った。
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Research Products
(2 results)