2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580079
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
江坂 宗春 広島大学, 大学院・生物圏科学研究科, 教授 (70151975)
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Keywords | アスコルビン酸 / cDNAクローニング / トマト / ビタミンC |
Research Abstract |
今年度は、トマトにおけるアスコルビン酸生合成に焦点をあて、研究を遂行した。 まず、トマトにおけるアスコルビン酸生合成の最終段階に関与しているL-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素に着目した。L-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素はL-ガラクトノーγーラクトンを基質に、これを酸化することでアスコルビン酸を生合成する酵素である。これまでにカボチャとタバコ等のL-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素cDNAがクローニングされている。しかし、トマトにおいてはL-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素cDNAクローニングの報告がない。そこで、今回トマトのL-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素のcDNAクローニングを行った。RT(reverse transcription)-PCR法、RACE(rapid amplification of cDNA ends)法を用いて、トマトのL-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素cDNAのクローニングを試みた。結果的には、全鎖のトマトL-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素cDNAは得られず、3'末端が一部欠落したcDNAを得た。クローニングされたcDNAから推定されるトマトのL-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素のアミノ酸配列をカボチャ、タバコ、サツマイモ、カリフラワーのものと比較したところ、非常に高い相同性を示した。この結果から、L-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素はトマトにも発現し、植物界に非常に高く保存されていることがわかった。また、推定アミノ酸配列中にはミトコンドリアへの移行シグナルと思われる配列が認められ、L-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素はミトコンドリアに局在する酵素と推定された。 一方、もう一つのアスコルビン酸生合成酵素であるGDP-D-マンノースピロホスホリラーゼのcDNAについても、RT-PCR法、RACE法を用いて、クローニングした。トマトのGDP-D-マンノースピロホスホリラーゼの一次構造を明らかにし、本酵素の酵素化学的性質を明らかにした。 また、両酵素のトマトにおける発現様式とアスコルビン酸含量を調べた結果、L-ガラクトノーγーラクトン脱水素酵素の発現とアスコルビン酸含量との間に正の相関が示された。
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Research Products
(6 results)