2005 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖認識ユビキチンリガーゼファミリーの解析による新規糖鎖機能の解明
Project/Area Number |
17580088
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
吉田 雪子 (財)東京都医学研究機構, 東京都臨床医学総合研究所, 研究員 (90271543)
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Keywords | F-boxタンパク質 / ユビキチンリガーゼ / N型糖鎖 / 小胞体関連分解 / シャペロン |
Research Abstract |
糖タンパク質糖鎖を認識してユビキチン化するレクチン様ユビキチンリガーゼSCF(Fbs1)を細胞質分画より発見し、その標的分子の解析などにより、SCF(Fbs1)は小胞体で高次構造形成に失敗したタンパク質の分解処理機構である「小胞体関連分解(ERAD)」に関わるリガーゼであることを報告してきている。SCF複合体の基質結合サブユニットF-boxタンパク質のひとつFbs1には5種のホモログが存在するが、糖鎖結合能の有無も含めこれらの機能は未知である。これらの標的分子の同定等により細胞内における機能の解析を行うことを目的として研究を進めた。今年度は以下の事項について研究を行なった。 1.複合型糖鎖を認識するユビキチンリガーゼの標的分子の同定 複数のタグをつけたF-boxタンパク質のF-boxドメインを欠失した発現ベクターを作製し、種々の細胞に発現させ、結合タンパク質を複数個単離した。現在、TOF-MSを用いて、これらのタンパク質の同定を行っている。 2.Fbs1がユビキチンリガーゼ複合体以外の機能を持つ可能性 Fbs1が他のF-boxタンパク質と異なり、SCF複合体を形成しにくいことを偶然見出した。詳細な検討の結果、細胞質に存在する大部分のFbs1はSCF複合体としてではなく、Skp1との二量体として存在し、小胞体膜上に存在するFbs1のみSCF複合体として存在することを見出した。さらに、Fbs1-Skp1複合体は糖タンパク質が凝集体を形成するのを阻害するシャペロン活性があることを見出した。
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