2006 Fiscal Year Annual Research Report
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17580089
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
斉田 要 独立行政法人産業技術総合研究所, バイオニクス研究センター, 主任研究員 (00357055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打出 毅 北里大学, 獣医畜産学部, 講師 (20327456)
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Keywords | 遺伝子 / 細胞組織 / 生体分子 / 生理学 / 生物活性 / シグナル分子 / 抗体 / 阻害剤 |
Research Abstract |
ほ乳類ゲノムの解析からシグナル分子であるペブチドホルモンET-2/VICを発見して、その構造と機能の解析を行ってきた。生物活性として、血圧上昇、腸管平滑筋の収縮活性、細胞増殖、等、多彩な機能を持つ。基本(物質)特許は実用化され、化学合成ホルモン(ペプチド)が販売されている。遺伝子の発現解析により、乳腺や脳下垂体や皮膚においてペプチド遺伝子の発現や(BBRC'02a, BBRC'02b)、受容体の遺伝子発現も見い出した(BBRC'03)。しかしながら、ET-2/VICは、ET-1とアミノ酸配列が酷似しているために、特異性の十分高い抗体が開発できていない。ET-1に関しては、精力的な研究が国内外で行われている。が、ET-2/VICに関しては、特異性の高い抗体が無い為に、研究の進展は遅々としている。そのためペプチド自身の局在を正確に示す事は、不可能であった。 本年度は、2年計画の2年目であり、昨年に引き続き、 (1)ペプチドのアミノ酸配列の差を識別するための新しい抗原分子を合成した。これをラビットに免疫し、抗体価の上がった抗血清を取得した。抗血清から特異的抗体を取得するために種々の精製法を試み、ET-2/VICの特異的抗体を取得した。つまりまずET-2/VICカラムで特異的な抗体を濃縮し、次にET-1カラムでET-1に反応する抗体を除いた。この特異性の高い抗体を用いて、動物の組織において、本ペプチドの正確な特異的検出や局在を解析した所、皮膚や皮膚細胞やPC12細胞において、ペプチドの発現や局在が検出できた。抗体の特異性をELISAの系で解析した所、ET-1とET-2/VICを識別した。ただし、げっ歯類VICに対する特異的な活性が高く、ヒトET-2に対する特異的な活性は低かった。よってこの抗体は、げっ歯類の染色に有効と思われた。 (2)さらにET-2/VICの機能を細胞レベルで解析するためには、特異的に遺伝子発現を抑制する方法の確立が重要である。ET-2/VICのsiRNAを取得するために、ET-2/VICのcDNAを種々のソフトで解析して、siRNAの候補に成り得るdsRNAを数種合成した。そのdsRNAのmRNA発現を抑制する活性を測定した所、20%程の発現の低下は見られたが、遺伝子の発現抑制活性は不十分であった。より高効率70%で遺伝子発現を抑制できるsiRNAを設計し、発現抑制を実証して、発現細胞レベルで形態の変化等が検出できれば、ET-2/VICの遺伝子王の生物機能・生理機
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