2005 Fiscal Year Annual Research Report
バラ科・ナス科植物の自家不和合性における自他識別機構の分子レベルでの解析
Project/Area Number |
17580097
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
円谷 徹之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (50379533)
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Keywords | 自家不和合性 / ペチュニア / ウメ / S-RNase / SLF |
Research Abstract |
1.バラ科植物ウメのS-RNase、SLFにそれぞれ異なる蛍光蛋白質を融合したものを発現するベクターを作成し、タバコBY-2細胞に導入したところ、S-RNaseは核周辺の細胞質に存在し、SLFは細胞質全体に均一に存在することが明らかとなった。また、S-RNaseとSLFを共発現させると、SLFは核周辺の細胞質に移行し、S-RNaseと共局在した。このことは、S-RNaseとSLFが相互作用することを示唆するものであるが、Sハプロタイプの違いによる共局在の異同は見られなかった。 2.ナス科植物ペチュニアS_<B1>ハプロタイプの花粉管cDNAクローンを2746個シークェンスしたところ、花粉側因子として機能することが既に知られている野生ペチュニアのPiSLF_2と相同性を示すクローンが得られた。また、この配列をもとにプライマーを設計し、他のSハプロタイプの花粉管cDNAをテンプレートにPCRを行ったところ、S_<D1>ハプロタイプのものから、相同な配列が得られた。これらのクローンを、pB1SLF、pD1SLFと名付けた。 また、PiSLF_2の配列をもとに設計したプライマーを用いたRT-PCRにより、S_<B1>、S_<B2>ハプロタイプからそれぞれ1種類、S_<D1>、S_<D2>ハプロタイプからそれぞれ2種類のPiSLF_2に相同な配列が得られた。これらをrB1SLF、rB2SLF、rD1SLF1、rD1SLF2、rD2SLF1、rD2SLF2と名付けた。 これらのうち、S_<B1>ハプロタイプのpB1SLF、rB1SLFと、S_<D1>ハプロタイプのpD1SLF、rD1SLF1の遺伝子を植物に導入した。今後、花が咲き次第、花粉の自家不和合性に変化が見られるか、調査する予定である。
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