2006 Fiscal Year Annual Research Report
蛋白質工学的手法を用いたバイオハイブリッド創出による食品蛋白質の低アレルゲン化
Project/Area Number |
17580107
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
服部 誠 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助教授 (40221501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
好田 正 東京農工大学, 大学院共生科学技術研究院, 助手 (20302911)
戸塚 護 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 客員助教授 (70227601)
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Keywords | β-ラクトグロブリン / 低アレルゲン化 / バイオハイブリッド / Pichia pastoris / タンパク質工学 |
Research Abstract |
[目的]本研究においては、食品タンパク質として、牛乳中の主要な乳清タンパク質であるβ-ラクトグロブリン(β-LG)を機能改変のターゲットとして用い、タンパク質工学的手法により糖鎖導入を行ったバイオハイブリッドを作出し、β-LGのネイティブ構造、疎水性物質結合能を維持した状態で、乳化性等の機能特性の向上と低アレルゲン化を同時に達成すること目的として研究に着手した。本年度は、酵母Pichia pastoris発現系を用いてグリコシル化β-LG(D28N, D137N/A139S)を調製し、免疫原性を評価した。 [方法・結果]グリコシル化β-LGは、部位特異的アミノ酸置換により作製した。変異を導入したcDNAをPichia発現ベクターpPICZαAに挿入し、ヒートショック法によりP.pastoris KM11H株へ形質導入し、発現分泌させた。分泌タンパク質をイオン交換クロマトグラフィーにより精製後、SDS-PAGEを行った結果、分子量24KDaであり、約6KDaの糖鎖の付加を認めた。次に、BALB/cマウスにβ-LGあるいはグリコシル化β-LGをフロイントのアジュバントとともに免疫後、抗血清を得、その反応性を非競合法ELISAにより解析した。その結果、C末端側の部位特異的グリコシル化(D137N/A139S)による、BLGの免疫原性の低下傾向が示唆された。
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