2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580115
|
Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
中山 勉 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (50150199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上平 美弥 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助手 (70405140)
内藤 晶 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (80172245)
|
Keywords | カテキン / ポリフェノール / リン脂質 / 脂質膜 / リボソーム / NMR / 固体MR / EGCG |
Research Abstract |
【目的】我々は既にカテキン類の脂質二重層への親和性とin vitro系で報告されてきた様々な生理活性強度との間に正の相関があることを明らかにしてきた。本研究では、カテキン類のうち脂質二重層への親和性が高いと報告されているECgとEGCgがリン脂質膜とどのような相互作用を示すかを明らかにすることを目的とした。 【方法】等方的な小型のバイセル(モデル生体膜)にカテキン類を作用させた試料溶液を調製し、溶液NMRにて、化学シフト値変化、^1H縦緩和時間(T_1)、NOESYの測定を行なった。また、固体NMRを測定するためにカルボニル炭素を^<13>C安定同位体でラベルしたECgを合成した。この合成した^<13>C-ECgをリボソームまたは磁場配向性を持っサイズの大きなバイセルに作用させ、固体^<13>C-及び^<31>P-NMRを測定し、ECgの脂質膜中における構造や運動性の解析を行なった。 【結果と考察】ECg及びEGCgをバイセルに作用させると、溶液NMRにおいて、B環とgalloyl基の化学シフト値が水溶液中と比較して大きく変化した。また、これらの部位の男が顕著に減少した。次にNOESYの測定を行なった結果、ECg及びEGCgのB環とgalloyl基の間で分子内NOE相関が観測された。さらに、これらの部位とバイセルを構成しているリン脂質の極性基末端に存在するトリメチルアミノ基の1Hとの間で分子間NOE相関が観測された。以上の結果から、ECg及びEGCgは、B環とgalloyl基が近接する構造をとり、さちにリン脂質の極性基近傍と相互作用することが明らかとなった。 固体^<31>P-NMR測定の結果から、ECgはリン脂質のリン酸基の運動性を変化させていることを確認した。さらに^<13>C-ECgを用いた固体^<13>C-NMR測定により、脂質膜中においてECgは一種類の軸回転運動を有することが示唆された。
|
Research Products
(1 results)