2005 Fiscal Year Annual Research Report
マツESTデータベースを利用したSNP探索とSNPマーカーの開発
Project/Area Number |
17580134
|
Research Institution | Forest Tree Breeding Center |
Principal Investigator |
渡邉 敦史 独立行政法人林木育種センター, 育種部育種工学課QTL研究室, 研究員 (10360471)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
磯田 圭哉 独立行政法人林木育種センター, 育種部育種工学課QTL研究室, 研究員 (60391702)
|
Keywords | EST / SNP / アカマツ / クロマツ / 連鎖地図 |
Research Abstract |
アカマツ連鎖地図作成には、マツノザイセンチュウ抵抗性品種熊山25号および佐賀関132号の人工交配家系を利用しており、本研究ではこれら親個体に加え、アカマツ・クロマツ共に3個体を加えた計8個体をSNP探索に利用した。SNP探索には、テーダマツのESTのうち、プライマーを含めて報告されている117ESTを対象とした。すでに、アカマツでは72プライマーでPCR増幅可能であることが明らかとなっていたが、今回、クロマツを加えた結果、両樹種で良好に増幅したESTは60であり、これら60ESTについて前述したアカマツおよびクロマツ計8個体で塩基配列を決定した。その結果、40ESTでSNPが検出され、計207SNPが検出された。このほか、連鎖地図に位置付ける上で有効と考えられるindelとSSRについても計22が検出された。次に、連鎖地図上に位置付ける効率を評価するため、7ESTについて熊山25号と佐賀関132号の人工交配家系を利用してSNP解析を行った結果、現在4ESTが連鎖地図に座乗した。これら一連の結果、他樹種で構築されたデータベースを利用することにより、現在作成しているアカマツ・クロマツ連鎖地図にESTを座乗させることが可能であることが明らかとなった。また、検出されたSNPをアカマツとクロマツ間で比較した結果、樹種間の明確な差異はなく、むしろSNPの保有頻度に相違がある可能性が示唆された。 本研究は、QTL解析によってマツノザイセンチュウ抵抗性に関与する領域の検出を行うことが最終目的であり、ランダムにテーダマツからESTをスクリーニングすることは連鎖地図の密度を高くする以外に必ずしも有効ではない可能性も考えられる。そこで、マツノザイセンチュウを人工的に接種した接ぎ木クローンの形成層部位を対象としたcDNAライブラリー作成についても着手した。
|