2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規侵入外来種であるアメリカカンザイシロアリの系統発生に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
17580146
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
板倉 修司 近畿大学, 農学部, 助教授 (60257988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 剛 京都大学, 生存圏研究所, 助教授 (40230809)
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Keywords | アメリカカンザイシロアリ / マイクロサテライトマーカー / 侵入種 |
Research Abstract |
80〜90merからなる(GC/TA)nプローブの末端をディゴギシゲニン(DIG)標識したヌクレオチドプローブ2種類を作成した。和歌山県古座川町で採集したアメリカカンザイシロアリ職蟻から抽出したゲノムDNAを鋳型とし、10merのランダムプライマー(24種)を用いたPCRによりDNAを増幅した。PCR増幅産物をアガロースゲル電気泳動で分離したのちナイロンメンブレンへ転写した。転写されたDNAとDIG標識ヌクレオチドプローブをハイブリダイズさせ、抗DIGアルカリホスファターゼ処理ならびに発光基質CSPDによる化学発光を行い、(GC/TA)nの単純繰返し配列をもつPCR増幅フラグメントをスクリーニングした。PCR増幅産物を再泳動し、化学発光の検出されたDNAフラグメントをTAクローニングによりプラスミドへ組み込んだ。大腸菌JM109株の形質転換を行い、増幅されたプラスミドのインサートDNA配列をDNAシーケンサーで解析した。この結果、12種類の配列をマイクロサテライト領域の候補とした。古座川、京都、フロリダ産のアメリカカンザイシロアリからゲノムDNAを抽出し、詳細な検討を行ったところ、これらの配列の中で4種類がマイクロサテライト検出用の領域として使えることが明らかになった。同一コロニーに属するアメリカカンザイシロアリの中に多型が多く存在し、コロニー構成が単純ではないことが分かってきた。次年度は、サンプリングポイント(地域)を増やし、国内に存在するコロニー間の血縁度を検討する予定である。
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