2005 Fiscal Year Annual Research Report
海洋細菌の遺伝子発現のライブセルイメージング(LIBAGE)
Project/Area Number |
17580156
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
和田 実 東京大学, 海洋研究所, 助手 (70292860)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柄谷 肇 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (10169659)
塚本 久美子 東京大学, 海洋研究所, 技術専門職員 (30396923)
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Keywords | lux遺伝子 / 緑膿菌 / バイオフィルム |
Research Abstract |
本研究は、海洋細菌のLiving cell Imaging for Bacterial Gene Expression(LIBAGE)法を確立し、蛍光で細菌の存在を、発光で遺伝子の発現を同時に検出、定量することにより、天然における細菌の役割を解明することを目的とし、特に、海洋細菌によるバイオフィルム形成および、海産動物への定着過程を解析することを目指している。 本年度の研究実績を以下に記す。 1:当初の計画では、蛍光タンパク質(GFP)およびルシフェラーゼ(lux)遺伝子を併せ持つ、トランスポゾン(mini-Tn5)プラスミドを用いる予定だったが、本年度は、GFPまたはlux遺伝子のどちらかを含むmini-Tn5プラスミドを使い、海産の緑膿菌株へ導入するための条件検討を行った。その結果、海産の緑膿菌を選択する抗生物質として、クロラムフェニコールが有効であることが判った。 2:lux遺伝子の発現は細菌株からの発光強度を測定することによって見積もるが、その定量精度を上げるために、現有している複数の発光測定装置について、レーザー光源を用いて装置間の校正を行った。 3:本研究で遺伝子導入する予定の海産の緑膿菌株を用いて、バイオフィルム形成過程に関する予備的な知見を得るため、クリスタルバイオレット染色法によりバイオフィルム量を測定した。 4:細菌が海産動物へ定着する過程に関する予備的な知見を得るため、海産の底生多毛類が棲む堆積物に、lux遺伝子を持つ海洋細菌株を接種して培養した。その後、接種した菌株の発光シグナルを検出した。 5:魚類に定着、共生する海洋細菌のうち、フォトバクテリウムレイオグナチに属する株のlux遺伝子の系統解析を行った結果、大きく2つの系統群に分かれることが判った。
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Research Products
(1 results)