2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580159
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
胡 夫祥 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (80293091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東海 正 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (30237044)
塩出 大輔 東京海洋大学, 海洋科学部, 助手 (40361810)
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Keywords | 仔稚魚採集 / 層別定量採集 / 資源量推定 / フレームトロール / 網口開閉 / コットエンド開閉 / メモリー式深度制御 |
Research Abstract |
昨年度では,網口またはコッドエンドが自律開閉する新しい仔稚魚の定量層別採集トロール網を設計した。網口開閉型では113の模型を,コッドエンド開閉型では長さ1.5mの前部ネットの後端に後部ネット3個を開閉装置に取り付けたものをそれぞれ用いて回流水槽で実験した結果,両方とも各段ネットの自律開閉がスムーズに動作することが確認されている。本年度では,試作した実物による海上実験を行ったので,その成果を以下に示す。 1.ネットを4個装着した開口面積2.0m^2の網口自律開閉型層別採集トロール網を試作し,水産工学研究所属のたか丸において相模湾で実験を実施した。船速2.0〜4.Okt,ワープ長50〜300mの条件で定常曳網時の網口フレームの傾斜角度および曳網水深を小型メモリー式傾斜計と小型メモリー式水深計を用いて計測した。その結果,模型実験で得られた結果と同様に何れのネット開口時に網口フレームは概ね5〜10°程度の前傾角度を示し,同じ速度ではネットの開口段にかかわらずフレームの傾きに変化は殆ど見られなかった。また,ネットの開閉を設定時刻によって動作する傾斜曳きにおいて,各段のネットが予定時刻通りに円滑に開閉されたことも確かめられた。 2.小型MOHTフレームに長さ6.0mの前部ネットを取り付け,その後端に開閉ネットが5個装着されたコットエンド開閉装置を取り付け,館山湾で実験を実施した。ワープ長100-250m,船速2.0-4.5ktの条件で定常曳網時の採集具の水深,網口フレームと開閉フレームの傾斜角度などを計測した結果,船速の増加に伴う曳網水深の変化が小さく,網口フレームも常に直立に近い姿勢を保持することができた。また,プログラム制御によるネットの自律開閉も円滑に動作することが確認された。 このように,本研究で開発した網口またはコッドエンドが自律開閉する仔稚魚層別採集トロール網は,何れも4.0kt以上の高速曳網が可能であり,目的水深の仔稚魚を定量的に採集することができるので,今後標準的な資源調査用の仔稚魚採集具として,それらの普及が期待される。
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Research Products
(2 results)