2005 Fiscal Year Annual Research Report
分子遺伝学的手法を用いた東京湾産仔稚魚の種判別に関する研究
Project/Area Number |
17580161
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
河野 博 東京海洋大学, 海洋科学部, 教授 (90234707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 崇 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (40313390)
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Keywords | 仔稚魚 / マハゼ / アシシロハゼ / 東京湾 / 分類 / 分子遺伝学的方法 |
Research Abstract |
東京湾に出現する仔稚魚の中でも、今年度は、とくに湾奥での優占種であるマハゼとアシシロハゼについて研究を行った。これら2種の仔稚魚は、形態的には種判別できないが、出現時期が異なることで判別が行われてきた。しかし、同定の根拠は出現時期の違いだけであり、形態学的な裏付けはこれまでなかった。そこで、本研究の最初の対象種としてこれら2種を選定した。今年度は、研究項目の中でも、次の2項目について実施した。 1.マハゼとアシシロハゼの大型個体の採集、およびアシシロハゼ仔稚魚の採集。 2.分子遺伝学的方法による両種の種判別。 まず,1の標本の採集についてである。大型個体については、両種とも、東京湾の湾奥部にあたる葛西人工渚や新浜湖、小櫃川河口域などで十分な量を採集した。これらの標本については、種同定を行うとともに、項目2の供試魚とした。さらに仔稚魚についても、上記湾奥部の3地点で採集を行った。大量に捕獲される仔稚魚の中から、マハゼあるいはアシシロハゼと思われる仔稚魚を選別した。出現時期(初夏から夏)に基づくと、今年度の調査で採集されたのはアシシロハゼであると判断した。 次に、2の結果である。まず、両種のミトコンドリア(mt)DNAのcytochrome b(Cytb)領域をPCR法によって増幅するための諸条件の検討を行った。その結果、マハゼの塩基配列を決定するために使用されている既知のプライマーをアシシロハゼに適用し、使用可能であることを確認した。さらに、最適アニーリング温度を決定した。以上の手順を踏んでPCR法によって両種のCytb領域の増幅を行った。これに対してRFLP分析を行った結果、フラグメントのパターンが2種で異なることが判明した。 来年度は、両種の仔稚魚を分子遺伝学的手法で判別し、形態を記載する。さらに、これら2種での手法が確立されれば、他の魚種への応用を実践する。
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