2006 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム多型による広域性赤潮藻類の広域化過程並びに個体群動態の解析に関する研究
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17580168
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉川 毅 鹿児島大学, 水産学部, 助教授 (10295280)
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Keywords | 赤潮 / Helerosigma akashiwo / microsatellite-primed PCR / マイクロサテライト / 葉緑体DNA / DNA多型 |
Research Abstract |
水産増養殖業に多大な被害を与えている赤潮の防除技術の開発を目的として、赤潮原因藻Heterosigma akashiwoの個体群・種内識別指標としての遺伝マーカーの確立を試みた。 1.マイク・サテライトを指標としたH.akashiwo分離株の識別 マイクロサテライト(MS)様配列を持つプライマーを用い、H.akashiwo分離培養株に対しmicrosatellite-primed PCR(MP-PCR)を行った。電気泳動の結果、分離株間に多型が見出された。増幅産物の塩基配列からMS領域をターゲットとしたsequence-tagged site(STS)化プライマーを設計しPCRを行った結果、電気泳動上分離株間に多型が見出された。また、PCR産物の塩基配列から、MSのリピート回数に分離株間の多型が認められた。このことから、H.akashiwo分離株・個体群の遺伝マーカーとしてのMSの有用性が示された。 2.H.akashiwo葉緑体DNAからのDNA多型の検出 H.akashiwo K95-Hy株より葉緑体DNA上の16S rDNA-rbcL間領域をlong PCRにより増幅し、約15kbpの増幅産物を得た。現在、塩基配列の決定とH.akashiwo分離株間でのDNA多型の有無を検討している。 3.ラフィド藻Chattonella属葉緑体DNAからのDNA多型の検出 H.akashiwoと同様ラフィド藻綱に属する赤潮原因藻Chattonella属について、rbcL-rbcS遺伝子間領域の塩基配列を決定した結果、C.antiqua、C.marina、C.ovataの種間に多型は見出されなかった。現在、H.akashiwoと同様16S rDNA-rbcL間のPCR増幅を試みている。
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