2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580172
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中村 修 Kitasato University, 水産学部, 講師 (00306648)
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Keywords | マアナゴ / ムチン |
Research Abstract |
魚類の皮膚は種々の刺激に反応して粘液を分泌することが経験的に知られている。しかしぞの分泌のしくみは知られておらず、魚類皮膚粘液ムチンで構造決定されたものもない。そこで今年度はマアナゴ皮膚粘液ムチンの一次構造解析を試みた。皮膚粘液をリン酸緩衝生理食塩水と混合、ホモジェナイズ後、不溶性画分を洗浄して可溶性タンパク質を除去後、6M尿素で可溶化した。SDS-PAGEに供したところ、低分子のタンパク質はおおよそ除かれており、ほとんど泳動されない高分子タンパク質がウェルの部分に見られた。メンブレンに転写後、糖鎖染色したところ、このタンパク質が染色されたことから、このタンパク質はムチンである可能性が高いと考えられた。したがって、この方法により皮膚粘液からムチンを簡便にかなりの程度精製できることがわかった。 次にタンパク質分解酵素による断片化を行い、内部アミノ酸配列を得ようとした。はじめにトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、V8プロテアーゼの各分解酵素を用いて、液相中での限定分解を試みた。しかしながら分解産物は得られなかった。次にJenoら(1995)の方法に基づきゲル内での消化を試みた。泳動後のウェル部分を切り取り、乾燥後、プロテアーゼ溶液をしみこませ、反応後、ゲルから抽出した。回収物を再びSDS-PAGEに供したが、やはり断片化されたバンドを得ることができず、アミノ酸配列を得ることができなかった。大量に付加された糖鎖がタンパク質分解酵素の作用を阻害しているのではないかと考えられる。 以上の結果、残念ながらマアナゴ皮膚粘液ムチンの構造を決定することはできなかった。
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Research Products
(1 results)