2005 Fiscal Year Annual Research Report
養殖魚の健康診断のための生体刺入型バイオセンサーの創出に関する研究
Project/Area Number |
17580180
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
遠藤 英明 東京海洋大学, 海洋科学部, 助教授 (50242326)
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Keywords | バイオセンサ / 酵素センサ / コレステロール / 血漿 / 魚 / 養殖 / グルコース / シリコーン |
Research Abstract |
本研究は,計測デバイスに光ファイバープローブを,分子識別生体素子に各種固定化酵素を利用することにより,養殖魚の血中グルコース,コレステロール等の検査項目の分析に対して対応が可能で,迅速簡便な測定が行える魚の健康診断用バイオセンサシステムの構築を目的とした.これら物質(基質)の測定には分子識別生体素子としてグルコースオキシダーゼ及びコレステロールエステラーゼ/コレステロールオキシダーゼを用い,酵素反応により生じた最終的な酸素濃度変化を,ルテニウム錯体が装着された光ファーバー酸素プローブ上で蛍光強度の変化としてとらえ,目的の物質を定量する原理に基づいている.17年度では,魚類血中コレステロース測定用センサシステムをフローインジェクションアナリシス(FIA)と組み合わせて製作し,実際の養殖魚に本法を適用することを試みた. まず,シリコーン樹脂を用いてコレステロールオキシダーゼ及びコレステロールエステラーゼを固定化し,固定化酵素膜を調製した.この膜を上述の酸素プローブの検出部に装着した.これをFIAシステムに組み込み,連続的に試料の測定が行えるシステムを構築した. その結果,コレステロール濃度20mg/dL〜200mg/dLの範囲においてセンサの出力との間に良い相関が認められた(R:0.996).また1検体の分析所要時間は約5分と極めて迅速な測定が可能であった.また,本センサは約60回の連続測定が可能であり,酵素膜を5°Cで保存することより2ヶ月間において安定した測定が可能であった.さらに,ブリおよびニジマス血漿中のコレステロール濃度の連続測定を試みたところ,従来法による測定値との間に良い相関が認められた.次年度では,このセンサ検出部を針型に改良し,生体に直接刺入して測定が可能なバイオセンサの開発を試みる.
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