2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580181
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
岡崎 勝一郎 香川大学, 農学部, 教授 (60109733)
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Keywords | 海洋細菌 / コンドロイチン多糖 / メラニン合成阻害 / B-16細胞 / 免疫賦活 |
Research Abstract |
海洋性のPseudomonas sp. WAK-1株の生産する菌体外多糖は、D-グルクロン酸とN-アセチル-D-ガラクトサミンがβ-1,3とβ-1,4結合で交互に連結したコンドロイチン骨格を主鎖とするグリコサミノグリカンであり、N-アセチル-D-ガラクトサミンに側鎖としてピルビン酸が結合したN-アセチル-L-ガラクトサミンがα-1,4結合している。本多糖にはメラニン生成の抑制と免疫賦活作用があることが見出されている。本年度は、この多糖の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるゲルろ過分析とトリフロオ酢酸による部分分解後の糖鎖分析、メラニン生成抑制の作用機構についてマウスB-16細胞で、メラニン合成経路のチロシナーゼ及びその関連タンパク1と2の遺伝子質発現に及ぼす影響、マウスマクロファージ様細胞J774.1株とBALB/Cマウスの脾臓細胞に対する各種サイトカインの誘導能について検討した。その結果、本多糖の分子量は約200万であり、部分分解物をアミノ安息香酸エチルエステル標識後、逆相カラムで分析したところ、コンドロシンとD-ガラクトサミンが同時に検出可能なシステムを開発できた。RT-PCR法を用いた発現実験では、チロシナーゼ関連タンパク1と2の発現は阻害されていなかったが、チロシナーゼについては未確定で、プライマー設計の再検討が必要であった。本多糖でJ774.1細胞を刺激すると、インターロイキン(IL)-12、IL-6、腫瘍壊死因子(TNF)-αの誘導が濃度依存的に認められたが、IL-10の誘導はなかった。マウスの脾臓細胞では、IL-12とインタフェロン(IFN)-γの産生増強が本多糖に認められたが、IL-4の誘導はなかった。したがって、ヘルパーT細胞1型からのIFN-γ産生による細胞性免疫の増強によるアレルギー反応の抑制という免疫機能性が本多糖に確認された。
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Research Products
(1 results)