2006 Fiscal Year Annual Research Report
強制運動による養殖魚筋肉のコラーゲン合成の促進と肉質の改善
Project/Area Number |
17580184
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
安藤 正史 近畿大学, 農学部, 助教授 (80247965)
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Keywords | マダイ / 物性 / 筋肉 / コラーゲン / 運動飼育 |
Research Abstract |
【目的】明石のマダイや関サバは身が引き締まっており,弾力のある脂の乗りのよい高い品質のものとして知られるが,それはこれらが潮流の速い海域に生息するため,運動量が豊富であることが原因であると考えられている。本研究では養殖魚においてこれら天然魚に匹敵する肉質を作り出すことを目的とし,水槽に流れを作ることで強制的に運動させ,その肉質の改善を試みた。 【材料】養殖マダイ(体重約1kg)を用い,止水および流水中で最長4ヶ月間飼育した。 【方法】レオメーターによる物性の解析:レオメーターにより記録された波形より,破断強度,破断凹み,破断エネルギー,初期傾きを算出した。ATP量の測定:試料から過塩素酸によって抽出し,HPLC法により測定した。グリコーゲン量の測定アンスロン硫酸法により測定した。コラーゲンの抽出・解析:試料肉を0.1M NaOH処理し,ペプシン消化後のコラーゲンをSDS電気泳動により解析した。アミノ酸分析:試料を塩酸加水分解後,アミノ酸分析機によりヒドロキシプロリン量を測定した。ミオグロビン量の測定:酸性アセトンにより抽出しHPLC法により測定した。 【結果】飼育法の違いにより有意な差が認められたのは破断強度,初期傾き,コラーゲン量であった。破断強度では運動群が高い値を示したのに対し,初期傾きでは即殺時では運動群が高く,死後24時間では対照群において高い値が見られた。総合的に見ると,死後24時間以内における肉質の変化は運動群において少なかった。なお,コラーゲンに関しては運動するほど減少するという結果が得られたため,運動による肉質の強化にはコラーゲン以外の部分による関与が推測された。
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Research Products
(1 results)