2005 Fiscal Year Annual Research Report
ノニルフェノール(内分泌攪乱物質)化合物分解遺伝子の解明
Project/Area Number |
17580185
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Research Institution | National Fisheries University |
Principal Investigator |
芝 恒男 独立行政法人水産大学校, 食品科学科, 教授 (20126080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 俊道 独立行政法人水産大学校, 食品科学科, 講師 (20399653)
古下 学 独立行政法人水産大学校, 食品科学科, 助手 (40399655)
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Keywords | 内分泌攪乱物質 / 環境ホルモン / 分解細菌 / ノニルフェノール |
Research Abstract |
ノニルフェノールモノエトキシレート(NPEO_1)やノニルフェノールジェトキシレート(NPEO_2)は工業用界面活性剤のノニルフェノールポリエトキシレート(NPEOn)が微生物分解されて生じる内分泌かく乱物質である。これら物質は水質や底質から頻繁に検出され,魚介類の健康被害が危惧されている。我々は,ノニルフェノール-1,-2,-3エトキシレート(NPEO_<1-3>)分解細菌Marinobacter sp.TY4株を海浜環境から分離し,それが芳香族化合物分解遺伝子群(catBCA,benABCDKE)を持つことを明らかにしている。そこで,芳香環の開裂に重要な酵素のカテコール1,2-ジオキシゲネース遺伝子(catA)を欠失した突然変異株を構築し,その分解活性を調べた。 その結果, (1)catA欠失株の作製に成功したが、 (2)欠失株がNPEO_<1-3>を分解したことから,catA遺伝子はNPEO_<1-3>分解に直接関与していないことがわかった。 (3)欠失株には微弱なカテコール分解活性が残っていた。カテコール分解遺伝子を複数持つ細菌がすでに報告されていることから,TY4株はこのcatAの他にもカテコール分解遺伝子を持ち,これによりNPEO_<1-3>が分解されると推察された。 (4)また分解活性は培養基質に影響されないことから構成酵素と判断され、 (5)分解活性が定常増殖期4日以降の細菌細胞にのみ見られたことから,定常増殖期に入って脆弱になった細菌細胞から分解酵素が漏出して,NPEO_<1-3>を分解していると考えられた。
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Research Products
(1 results)