2006 Fiscal Year Annual Research Report
中山間地域における多様な主体の重層的連携による地域営農システム構築に関する研究
Project/Area Number |
17580190
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
柏 雅之 茨城大学, 農学部, 教授 (40204383)
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Keywords | 中山間地域等直接支払制度 / 農業公社 / 異業種参入 / 社会的企業 / EU共通農業政策 / 中山間地域 / EU共通地域政策 |
Research Abstract |
本年度は、第1に、中山間地域等直接支払制度が、人口的限界に直面しつつある地域において、どのように機能しうるかについて検討した。本年度は、特定の地域営農集団を広域集落協定のコアに組み込み100%の交付金支出をした事例(富山県南栃市)、広域集落協定のなかで農業公社を設立し100%の交付金をまわして支援している事例(同市)、地元土建会社が特区参入し、集落協定のなかに組み込まれそのコアとして機能している事例(新潟県糸魚川市)の意義を検討した。 第2に、日本農村型の「社会的企業」のあり方について分析した。欧州で大きなうねりとなってきたコミュニティ主導型で社会的使命を持ち企業的活動を行う社会的企業が、日本の中山間地域の現場でも成立してきた。総合農協が撤退したのち、中山間部は支所が撤退し地域は取り残された事例である。そこでは広域(旧村レベル)で住民全員の出資によって法人を設立し、購買事業、介護事業、営農支援事業などコミュニティが必要とするサービスを自らが立ち上げた法人によってまかなっている。 第3は、こうした社会的企業が本場の欧州の農村でどのように展開しているかを分析した。今年度は、イギリスで機械共同利用組織から変貌した社会的企業である「7Y」、およびコミュニティに根ざし、従業員全員で出資する「ロックフェイン・オイスター」の事例を調査分析した。日本の場合との比較を通して今後の農村経営主体のあり方を分析していく。
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Research Products
(1 results)