2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 勝宏 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助教授 (80225698)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚田 和也 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 助手 (80323476)
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Keywords | 農産物貿易政策 / 国内農業政策 / 収量変動リスク / セーフガードの産業保護政策 / 価格変動リスク / 乳製品成分アプローチ / ラオスの産業連関分析 / ベトナムのコメ輸出 |
Research Abstract |
本研究は、農産物貿易政策や国内農業政策を評価するシミュレーションモデルの構築し、収量変動や国際価格の変動等のリスクを考慮しつつ農業政策の国際比較を行うことを目的とする。本年度は、穀物モデル、酪農モデル、途上国の農産物貿易に関する政策に焦点を当てた。 穀物部門に関しては、穀物の作況変動が国際価格へ及ぼす影響について分析するため、コメの反収変動の国際比較を行った。また、国際価格変動により国境政策が内生化されているセーフガードの産業保護に及ぼす効果についてのサーベイを行った。 酪農部門については、各国の加工用乳に関する政策サーベイを行い、加工乳・各種乳製品のパイロットモデルを構築した。但し、ミズーリー大学食料農業政策研究所上席研究員Dr.Scott Brown氏より、乳製品への生乳配分として「生乳換算係数」を用いた結合生産物法よりも「乳製品成分アプローチ」が望ましいとの指摘を受けたため、当該方法について簡単な配分モデルを構築し、そのパフォーマンスの検討を行っている最中である。 また、開発途上国として、ベトナムのコメ輸出政策に関するレビューを行うとともに、ベトナム国内の各省間のコメ市場の連関性についての共和分分析を行ない、コメ市場が密接に関連している省と関連していない省の分類を明らかにした。また、ラオスの産業連関表を推計し、穀物輸出やコーヒー輸出政策が国内経済に及ぼすインパクトを推計した。また、コーヒーの国際価格変動という不確実性が国内経済へ及ぼすインパクトについての考察も行った。 当初の研究計画では、バイオ燃料部門をモデルに組み込むことは想定していなかったが、近年アメリカをはじめとするエネルギー政策がバイオ燃料部門を媒介にして、耕種部門や酪農・畜産部門へ大きな影響を及ぼすようになってきているため、原油の国際価格変動リスクも加味したモデルの構造について検討した。
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