2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580192
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
齋藤 勝宏 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 准教授 (80225698)
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Keywords | 先進国の農業政策 / バイオ燃料政策 / 穀物の国際価格変動 / 途上国の貧困削減 |
Research Abstract |
本研究は、農産物貿易政策や国内農業政策を評価するシミュレーションモデルの構築し、収量変動や国際価格の変動等のリスクを考慮しつつ、数値シミュレーション分析を通して農業政策の国際比較を行うことを目的とするものである。本年度は研究の最終年度にあたり、穀物モデルにエネルギー政策(バイオ燃料部門)を組込んだ分析を行った。分析の結果明らかになった点は、近年の小麦価格の高騰は豪州の収量変動によるところが大きいこと、2001年以降トウモロコシの国際価格は上昇傾向にあるが、米園のバイオエタノール政策により約25%トウモロコシの国際価格が上昇していることが明らかとなった。また、本研究で構築したシミュレーションモデルには投機の決定メカニズムは組み込まれてはいないが、観測されたトウモロコシ価格とモデル内で決定される価格とを比較することにより現行価格の約40%が投機による影響であることが明らかとなった。これは、穀物の国際価格の変動が、気象変化に伴う作況変動だけではなく投機の影響をも大きく受けることを示唆するものであり、穀物市場を攪乱するリスクに対しては、緩衝在庫などの国内政策が重要であることを明らかにした。 また、穀物価格の上昇は1人あたり所得が低く、財政赤字、貿易赤字に悩む途上国にとっては貧困削減という意味でも非常に重要な意味を持つ。本研究では、特に東南アジアの最貧国のひとつであるラオスを例にとり、一般均衡モテルを構築することにより農産物の国際価格変動が国内経済に及ぼす乗数効果を推計し、先進国の農業政策・エネルギー政策・貿易政策が途上国の経済にも大さな影響を及ぼしうることを数量的に明らかにした。
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Research Products
(3 results)