2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580195
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
足立 芳宏 Kyoto University, 農学研究科, 准教授 (40283650)
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Keywords | ドイツ農業史 / 戦時ドイツ農業 / 外国人農業栄働者 / ドイツ内地植民政策 |
Research Abstract |
本研究は、農業入植政策と農葉労働者問題の2つの問題系譜から戦前と戦後のドイツ農業の断絶と連続性を検証することを目的としている。本年はとくに9月に時期・戦前期を中心にメクレンブルク地方に関して、シュベリン州立文書館で史料調査を行った。 まず戦時農業労働力の基軸をなす外国人強制労働者について。戦争捕虜の配置については、基本は州労働課が担当し、農業労働力配置の調整は郡農民団がおこなっていた。このため州農林省の関与は大きくはないようで、農林省文書では林業課の文書に戦時外国人労働者関連ファイルがいくつか残されていただけであった。その解析はこれからであるが、(1)39年開戦とともに戦争捕虜の利用が始まっていること、(2)労働力の配置では、農業が優先され、林業はその下に位置づけられるなど部門間の序列がみられること、(3)このために林業の季節単位の労働力動員が頻繁に繰り返されること、などが読み取れた。 当該州の戦前入植史については、とくに州農林省入植課の資料調査を行った。入植課文書検索書をみるかぎり、(1)立法過程に関する文書、(2)実施過程に関する行政文書、(3)入植会社に関する文書、(4)各郡・入植村落別の文書の4つに分類される。全体の文書は膨大になるので、30年代にWestfalenとBayernからの集団入植が見られたWustefeldeとSchwetzinの二村について、関連文書をみた。入植にあたっては州開発会社が仲介していることや、また、彼らの名前や経営規模、家族構成などを知ることができたが、それ以上のことは残念ながら不明であった。
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Research Products
(2 results)