2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580222
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
野並 浩 愛媛大学, 農学部, 教授 (00211467)
|
Keywords | サイクロメーター / 水ポテンシャル計測 |
Research Abstract |
一般に植物組織の水ポテンシャルの計測は,植物組織を切り取って,切除組織をサイクロメーターで計測される。しかし,細胞生長が起こっている組織では,切除後細胞壁の緩和が起こることが知られており,生長している組織を使ってのサイクロメーターを用いての水ポテンシャル計測は計測精度に問題があることが指摘されてきた。しかしながら,サイクロメーターは水蒸気分圧の平衡下で植物組織の水ポテンシャルを直接計測できる利点があり,他の計測法では完全な非破壊状態で計測できない問題点がある。そこで,本研究では,植物サンプルを非破壊状態で収めることができるサイクロメーターチャンバーを作成することで,非破壊状態の水ポテンシャル計測を行うことを果実で行うことを目的としている。その際,サイクロメーターは等圧式計測法を採用し,センサー自身もこれまでの熱伝対式からサーモパイル式のデザインを採用して,サイクロメーターセンサー自身にこれまでの3倍の起電力を生じさせる工夫を行い,水ポテンシャル計測に伴うノイズの影響を極力抑えるように設計することを意図している。サイクロメーターセンサーをサーモパイル式にする設計はこれまでに行われていない。実際に行おうとするとセンサーの温度基準点でのばらつきがかえってノイズを増幅するようになる問題点が出てきた。伸長部位が均一で大きいチューリップ花茎および球根における水分状態をサイクロメーターで計測し,水分状態と細胞内代謝物および球根の鱗片における代謝物をマトリックス支援レーザーイオン化飛行時間型質量分析計で分析し,ヨーロッパ実験生物学会で発表した。そのときの参加者として,等圧式サイクロメーターの発明者のDr.Boyerも参加していて,新しいサーモパイル式のサイクロメーターの問題点について意見交換を行った。今後,サーモパイル式サイクロメーターでの改善につなげる方向で研究改善を試みる。
|
Research Products
(1 results)