2005 Fiscal Year Annual Research Report
肉牛における脂肪交雑粒子の細かさを利用した不飽和脂肪酸含有量の画像解析による推定
Project/Area Number |
17580230
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
口田 圭吾 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, 助教授 (50271747)
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Keywords | 画像解析 / 牛脂肪交雑 / 不飽和脂肪酸割合 / 和牛 |
Research Abstract |
【目的】これまでの研究から、黒毛和種の高精細枝肉横断面画像の解析により、筋肉内脂肪中のもの不飽和脂肪酸(MUFA)割合が推定可能であることが示唆された。本研究では、脂肪交雑の形状的特徴が異なる褐毛和種(JBR)およびホルスタイン種(HOL)に同手法を適用し、その推定精度を検証した。 【方法】高精細枝肉撮影装置により、JBR25頭(去勢19頭、めす6頭、1ロット)およびHOL76頭(去勢、5ロット)の枝肉横断面を撮影した。MUFA割合実測値は、ロース芯をスライドガラスで削り取り、定法で求めた。枝肉横断面画像を解析し、脂肪粒子のあらさに関する形質(10形質)、ロース芯形状に関する形質(4形質)、ロース芯の色に関する形質(84形質)、脂肪交雑の形状に関する形質(43形質)、横断面面積に占める皮下脂肪および筋間脂肪の面積割合を算出した。MUFA割合の推定は、以上の143形質を用い、5変数を上限とした最大R^2値改良法による重回帰分析で行った。 【結果】JBR(1ロット)では脂肪赤成分下位10%、脂肪粒子全体のあらさ、ロース緑成分のばらつきおよびロース芯脂肪割合の4形質が選択された(R^2=0.69)。HOLにおいて、全ロットを一つのデータセットとした重回帰式のR^2値は0.38であった。各ロットで枝肉表面の温度、屠殺後の経過時間などが異なると推察されたため、ロットごとに重回帰分析を行った。各ロットで選択された変数はおおむね共通しており、皮下脂肪割合、筋間脂肪割合、脂肪粒子全体のあらさ、脂肪粒子の凹凸度、筋肉緑成分のばらつきおよび脂肪緑成分のばらつきの6形質であった(R^2=0.39〜0.91)。精度を高めるために、推定に使用する画像解析形質を再検討する必要はあるが、JBRおよびHOLにおいてもMUFAを推定可能であった。
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