2005 Fiscal Year Annual Research Report
鶏腸管免疫機能調節を基幹とした抗菌剤を使用しない飼育技術開発
Project/Area Number |
17580232
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 和昭 東北大学, 大学院・農学研究科, 助手 (80183440)
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Keywords | 鶏 / 腸管免疫 / 抗菌剤 / サイトカイン |
Research Abstract |
本年度(平成17年度)は 1)腸管におけるTリンパ細胞の機能発現の推移及び 2)鶏腫瘍壊死因子のcDNAクローニングと機能の解明を行った 1)抗菌剤を含まない飼料をブロイラーに給与し、成長初期(0,4,7および14日齢時)おける消化管前部(十二指腸末端)、消化管中部(メッケル憩室周辺)、消化管後部(盲腸、大腸結合部周辺)を採取し、腸管おける前炎症性サイトカインとT細胞増殖関連サイトカインmRNA発現の経時変化から前炎症性サイトカイン発現とTリンパ細胞の機能発現の関連性につて調査した。前炎症性サイトカインとしてインターロイキン-1、6のmRNA発現は検出限界以下であった。Tリンパ細胞機能はCD3(T細胞数)インターロイキン-2、インターフェロン-γ(T細胞機能)mRNAの発現量から推定したが、いずれの腸管部位とも、いずれの発現も7日齢時まで低く、この時期が調節の1ポイントであることが判明した。 2)各種データベース検索とサブトラクション法により、鶏では未だクローニングされていない重要な前炎症性サイトカインの腫瘍壊死因子αのcDNAクローニングを試みたが、検出不可能であり、腫瘍壊死因子(TNF)-αは存在しない可能性を示した。腫瘍壊死因子ファミリーの共通配列と哺乳動物と魚類で共通に保存されている8アミノ酸分の塩基配列などをもとにプライマーを作成し、鶏Tumor necrosis factor like ligand(TL)1Aをクローニング後、塩基配列、アミノ酸配列、系統樹解析からTL1AがTNF-αの代替物質である可能性を示した。さらに、組み換えタンパク質を作成、サイトカイン産生増加、鶏ヒナに投与し発熱、飼料摂取の低下などの機能の調査を行い、鶏TL1AがTNF-αの代替物質として機能していることを示唆した。
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