2006 Fiscal Year Annual Research Report
鶏腸管免疫機能調節を基幹とした抗菌剤を使用しない飼育技術開発
Project/Area Number |
17580232
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 和昭 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (80183440)
|
Keywords | 鶏 / 腸管免疫 / 抗菌剤 / サイトカイン |
Research Abstract |
目的:孵化後ヒナの腸管における免疫関連細胞の栄養制御を(1)大豆粕・トウモロコシ主体(通常)飼料または2種の半精製飼料(高炭水化物または高脂肪飼料)さらに(2)ヌクレオチド・ヌクレオシドを多量に含む酵母を給与した時の影響から検討した。 方法:孵化直後ブロイラーヒナを用いて、上記飼料を給与後、腸管上部、中部および下部を0、3、7、14日齢に採取し分析に用いた。免疫関連細胞成熟の程度はT細胞の指標としてCD3、インターロイキン(IL)-2、インターフェロン(IFN)-γそして自然免疫細胞の指標としてトール様受容体(TLR)-2および4、誘導型一酸化窒素合成酵素(iNOS)のmRNA発現量の変化から検討した。 結果、(1)高炭水化物または高脂肪飼料を給与した鶏の腸管免疫関連細胞の成熟パターンは概してトウモロコシ・大豆粕主体飼料を給与した鶏のそれと類似していたが、高炭水化物を給与した鶏は通常飼料を給与した鶏に比較して高いIL-2と低いIFN-γ発現を示した。高脂肪飼料給与はTLR-2発現をのぞいて、いずれの腸管部位、日齢で通常飼料給与より低い遺伝子発現であった。(2)腸管前部におけるBu-1及びIL-18mRNA発現量は核酸資材給与区で有意に増加した。腸管前部におけるCD3、IFN-γ、iNOSmRNA発現量は核酸資材給与区で増加する傾向にあった。腸管後部におけるCD3、IFN-γ及びIL-18mRNA発現は核酸資材給与区で有意に増加した。腸管後部におけるIL-2mRNA発現も核酸資材給与により高まる傾向にあった。このように、成長初期鶏の腸管免疫機能は栄養操作により調節可能であることが示唆された。
|