2006 Fiscal Year Annual Research Report
乳酸菌起源のリン酸化多糖の免疫賦活化能の解明とその利用
Project/Area Number |
17580233
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西村 順子 東北大学, 大学院農学研究科, 技術専門職員 (10241556)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 忠夫 東北大学, 大学院農学研究科, 教授 (00118358)
北澤 春樹 東北大学, 大学院農学研究科, 助教授 (10204885)
川井 泰 東北大学, 大学院農学研究科, 助手 (00261496)
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Keywords | リン酸化多糖 / デキストラン / リン酸化 / アレルギー / サイトカイン / 細胞表面抗原 / Toll-like receptor (TLR) / イムノバイオティクス |
Research Abstract |
[目的] 我々はリン酸化多糖の免疫賦活化機構を解明し,その応用性を検討することを目的とし,本年度はオボアルブミン(OVA)感作マウスによるアレルギーモデル実験を行い,in vivoにおける効果の検証を行うことで,リン酸化デキストラン(P-Dex)のアレルギー低減作用を評価することを目的とした.また,その作用機構の詳細を解明する目的で,自然免疫におけるリン酸化多糖の免疫細胞による認識と,一連の免疫応答機序についても検討した. [方法および結果] マウスは昨年同様の投与スケジュールにより,OVAで感作し,P-Dexの改善効果ならびに予防効果を評価した.その結果,両実験系で,P-Dex投与によりTh1系サイトカインのmRNA発現が誘導され,また改善効果実験ではTh2系サイトカインのmRNA発現が低下し,相対的にTh1系を活性化したことが示唆された.またP-Dexは,Th2系を誘導するCD8α-DCのCD86の発現の低下,さらにはIL-10mRNA発現誘導により,Th1/Th2バランスを改善するのみならず,種々の作用によりアレルギーを改善する作用があることが明らかとなった. また,ブタのパイエル板からToll-like receptor(TLR)のホモログであるRP105ならびに共発現分子のMD-1をクローニングし,そのトランスフェクタントを用いてリン酸化多糖の細胞認識機能特性について解析したところ,リン酸化多糖はNF-κBを刺激し,RP105を介して様々なサイトカインの発現を誘導していることが明らかとなった. 以上より,乳酸菌起源の菌体外リン酸化多糖のアレルギー低減作用が考えられ,その活性発現機構の一端が解明できた.
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