2007 Fiscal Year Annual Research Report
乾燥加熱を利用した糖リン酸化によるホエータンパク質の高機能化・多機能化
Project/Area Number |
17580238
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
青木 孝良 Kagoshima University, 農学部, 教授 (70034460)
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Keywords | ホエータンパク質 / 牛血清アルブミン / α-ラクトアルブミン / 乾燥加熱 / リン酸化 / 機能特性 / マルトペンタオース / メイラード反応 |
Research Abstract |
チーズの生産量は年々増加し、その副産物であるホエーの有効利用は重要な課題になっている。ホエーからホエータンパク質分離物(WPI)が製造され、食品加工素材として利用されているが、ホエーの更なる利用のため、ホエータンパク質の高付加価値化が望まれている。本研究は、メイラード反応を利用してWPIにマルトペンタオース(MP)を結合させた後、リン酸塩存在下での乾燥加熱によりリン酸化することにより、WPIの高機能化・多機能化を目指したものである。一昨年度はメイラード反応を利用してWPIにMP結合させると、その機能特性が著しく向上することを、昨年度はWPIの主要成分であるβ-ラクトグロブリン(β-Lg)の糖リン酸化による構造変化と機能特性の変化を調べた。今年度は、牛血清アルブミン(BSA)とα-ラクトアルブミン(α-La)を糖リン酸化して、その構造および機能特性の変化を調べた。 BSAとマルトペンタオース(MP)をメイラード反応で結合させた後、ピロリン酸緩衝液(pH4.0)に溶解し凍結乾燥後、85℃で乾燥加熱してリン酸化し、MP-PP-BSAを調製したところ、その有機リン(Po)含量は乾燥加熱の日数に依存して増加し、5日間乾燥加熱したもののPo含量は0.91%であった。BSAの2次構造の変化をCDスペクトルで調べたところ、糖リン酸化による2次構造の変化は小さいことが示唆された。BSA溶液は80℃、10分間の加熱でほぼ不溶化したが、糖リン酸化BSAでは90%以上が可溶性で、糖リン酸化により著しい熱安定性の向上が見られた。糖リン酸化BSAはpH7.0で透明な加熱ゲルを形成し、ゲルの弾性率および保水性も向上した。また、糖リン酸化によりBSAにリン酸カルシウム可溶化能が付与された。 α-Laの抗原性は糖化により減少し、さらにその後のリン酸化によって有意に減少した。また、α-Laのオレイン酸複合体のマウス白血病細胞Ll210に対するアポトーシス作用は、糖付加によって減少したが、リン酸化によって回復した。
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Research Products
(6 results)