2006 Fiscal Year Annual Research Report
ブタ卵母細胞のガラス化保存後の体外成熟と精子注入(ICSI)による胚発生
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17580242
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary medicine |
Principal Investigator |
福井 豊 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40120547)
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Keywords | 畜産学 / バイオテクノロジー / ブタ / ガラス化保存 / 体外成熟 / 顕微授精 / 胚発生 / 卵母細胞 |
Research Abstract |
本年度は、主にブタ卵母細胞(未成熟卵子)の体外成熟用および顕教授精後の体外培養に限定培地を用いて、胚発生への影響を検討した。さらに、ガラス化保存されたブタ未成熟卵子を無血清限定培地による体外成熟を試みた。得られた成果は以下のとおりである。 1)実験1:培養液および培養法の違いによる分割率に有意差ほ見られなかったが、mPZM-3はmPZM-4と比較して有意に(P<0.01)高い胚盤胞率を示した(20.1%,9.4%)。また、mPZM-3では分割卵子に対する胚盤胞率(51.8%,16.9%)および発生した胚盤胞に対する孵化胚盤胞率(12.3%,2.2%)がmPZM-4より有意に(P<0.01)高かった。培養法では、WOWは胚盤胞形成率や胚盤胞の細胞数を改善しなかったが、培養液x培養法に有意な(P<0.05)相互作用が見られ、mPZM-3を用いたWOWで他法よりも有意に(P<0.05)高い孵化胚盤胞率(20.3%)が得られた。 2)実験2:インスリン添加効果はmPZM-4において胚盤胞率が倍増する傾向が見られたが、有意差認められなかった。また、限定培地であるmPZM-4はさらに改善する必要があること、WOWはmPZM-3を用いた場合、体外成熟、ICSI後のブタ胚盤胞発生に有効であることが示唆された。 3)実験3:ガラス化卵子の加温後の体外成熟率(8-24%)は新鮮卵子(88-90%)(血清添加および無添加区)よりも有意に(P<0.05)低かった。ガラス化された卵子では、血清添加のガラス化溶液でガラス化され、血清無添加の限定培地で成熟培養を行った区で,最高の成熟率(24%)が得られた。血清不含のガラス化溶液でガラス化および体外成熟培養された卵子の成熟率は10%以下と低率であったが。血清不含のガラス化溶液を用いてガラス化された卵子を無血清の限定培地で成熟培養して、体外成熟卵子を得ることができた。
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Research Products
(2 results)