2006 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷環境下にある反芻家畜のタンパク質合成・分解速度の栄養および内分泌制御
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17580244
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐野 宏明 岩手大学, 農学部, 教授 (20196306)
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Keywords | 反芻家畜 / ヒツジ / タンパク質代謝 / アミノ酸代謝 / 安定同位体化合物 / 同位元素希釈法 / 寒冷暴露 / エネルギー給与量 |
Research Abstract |
〔目的〕寒冷環境下にある反芻家畜のタンパク質代謝動態に及ぼすエネルギー給与量およびエネルギー基質の影響を明らかにするために、フェニルアラニン-水酸化モデルによる同位元素希釈法を適用した。 [実験3、4]エネルギー給与量の影響 実験にはヒツジ8頭を用いた。飼料として乾草、圧片トウモロコシおよび大豆粕を用い、タンパク質給与量が維持の100%で、エネルギー給与量が維持の100%および160%の2飼料区を設定した。実験は1期28日間のクロスオーバー法に従って実施した。常温環境(23℃)の21日目にフェニルアラニン-水酸化モデルによる同位元素希釈法を実施した。23〜28日目には室内温度を2〜4℃に下げ(寒冷環境)、常温環境と同様の実験を実施し、血漿フェニルアラニン、チロシンの代謝回転速度からタンパク質代謝動態を算出した。その結果、タンパク質合成速度は160%区が100%区より高い傾向を示し、寒冷環境下では有意に増加した。 [実験5]エネルギー基質の影響 ヒツジ6頭を用い、エネルギー、タンパク質給与量をともに維持の100%とした。他の飼養条件、環境条件は実験1と同様とした。常温および寒冷環境下でグルコース、VFA混合液あるいは生理食塩水を8時間にわたり血中に連続注入した。その間、同位元素希釈法を実施し、タンパク質合成速度を算出した。その結果、タンパク質合成速度はエネルギー基質注入によって影響されなかったが、寒冷環境下で有意に増加した。 〔結論〕本研究の結果から、有意差は認められないもののタンパク質代謝動態はエネルギー給与量に影響されることが示された。しかし、短時間のエネルギー基質注入には影響されなかった。寒冷環境下では増加することが確認された。
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