2007 Fiscal Year Annual Research Report
寒冷環境下にある反芻家畜のタンパク質合成・分解速度の栄養および内分泌制御
Project/Area Number |
17580244
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
佐野 宏明 Iwate University, 農学部, 教授 (20196306)
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Keywords | 反芻家畜 / ヒツジ / タンパク質代謝 / アミノ酸代謝 / 同位元素希釈法 / 寒冷暴露 / エネルギー基質 / インスリン |
Research Abstract |
〔目的〕寒冷環境下にある反芻家畜のタンパク質代謝動態に及ぼすエネルギー基質およびインスリン注入の影響を明らかにするために、フェニルアラニン-水酸化モデルによる同位元素希釈法を適用した。 〔実験方法〕ヒツジ6頭を用いた。実験は環境温度を23℃に調節した生物環境制御室で実施した。基礎飼料として乾草および市販配合飼料を用い、エネルギーおよびタンパク質給与量は維持の100%とした。実験区としてグルコース注入区、揮発性脂肪酸(VFA)注入区および無注入の対照区とし、3x3ラテン方格法により実施した。グルコース注入区およびVFA注入区では維持代謝エネルギーの12.5%に相当する量のグルコース、VFA(酢酸、プロピオン酸)を血中に注入した。タンパク質合成・分解速度を測定するために、フェニルアラニン-チロシン法による同位元素希釈法を実施した。実験後半にはさらにインスリンを60mU/kg^<0.75>/hで注入した。常温の実験が終了した後、環境温度を2〜4℃に下げ、4日目に常温と同様の実験を繰り返した。血漿フェニルアラニン、チロシンの代謝回転速度を算出し、寒冷環境下にあるヒツジのタンパク質合成速度に及ぼす炭水化物の質ならびにインスリン注入の影響を明らかにする。 〔結果〕タンパク質合成速度はグルコース、VFA注入および寒冷暴露によって影響されなかった。インスリン注入によりフェニルアラニン代謝回転速度は変化せず、チロシン代謝回転速度は低下し(P<0.01)、タンパク質合成速度は影響されなかったが、常温に比べ寒冷暴露時に増加する傾向があった(P<0.1)。
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Research Products
(1 results)