2007 Fiscal Year Annual Research Report
多能性骨髄幹細胞から免疫担当細胞への分化に及ぼすTGF-βファミリーの役割
Project/Area Number |
17580262
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
村上 賢 Azabu University, 獣医学部, 教授 (80271360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 輝雄 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (60151297)
舟場 正幸 麻布大学, 獣医学部, 准教授 (40238655)
西野 佳以 麻布大学, 獣医学部(今年度は分担者から外した), 講師 (00271544)
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Keywords | TGF-βファミリー / シグナル伝達 / 遺伝子発現制御 / 多能性幹細胞 / Brachyury(Bra) / Goosecoid(Gsc) / Nodal / Mitf |
Research Abstract |
多機能分子群であるTGF-βファミリー分子が免疫担当細胞への分化過程で果たす役割を検討するため、前年度に引き続き、マウス胚性腫瘍細胞P19を用いて、中胚葉組織のマーカー遺伝子であるBrachyury(Bra)とGoosecodi(Gsc)の発現制御機序を検討した。P19細胞におけるBraとGscの発現はAlk4/5/7によるSmad2のリン酸化を介したTGF-βスーパーファミリーによって誘導されること、またその候補因子としてはNodalとCriptoであることのの可能性を示した。Nodalに対するsiRNAを用いたノックダウンと添加の実験によって、BraとGscの発現が少なくともNodalによって誘導されていることを確認した。また、同時に神経細胞への分化抑制が生じていることも示唆した。多能性造血幹細胞株であるA6細胞を用いて、Activin Aで刺激した際の各種血球系細胞の分化マーカーの遺伝子発現をRT-PCRにより検索した。その結果、造血幹細胞の表面マーカーであるc-kitとCD31、赤血球マーカーであるβH1とβ-majorglobin、肥満細胞マーカーであるFcεRIのいずれの遺伝子発現においても、Activin A刺激の前後で変化は見られなかった。また、形態的変化も見られなかった。しかし、TGF-βファミリーの刺激に応答する可能性は示されており、今後はbFGFの除去や、ILなど他のサイトカインとの協力作用を検討する必要がある。また、派生研究として、A6でも発現がみられた組織特異的転写因子Mitfに注目し、マクロファージ系細胞やマスト細胞など免疫担当細胞を含めた各種細胞でのMitfの各アイソフォームとvariantの遺伝子発現を調べ、細胞に依存したMitfアイソフォームの多様な遺伝子発現パターンと異なる転写活性を示した。
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Research Products
(5 results)