2006 Fiscal Year Annual Research Report
シバヤギ脳内のケトン体感知システムにおけるモノカルボン酸輸送担体の機能解析
Project/Area Number |
17580264
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
大蔵 聡 独立行政法人農業生物資源研究所, 動物科学研究領域脳神経機能研究ユニット, 主任研究員 (20263163)
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Keywords | 性腺刺激ホルモン / 栄養 / ケトン体 / モノカルボン酸輸送担体 / シバヤギ / PCR / RT-PCR / 塩基配列 |
Research Abstract |
低栄養状態にある動物では、低栄養に関する情報が何らかの末梢のシグナルによって脳に伝達され、性腺刺激ホルモン分泌を司る脳内神経機構の活動が抑制される。単胃動物では低栄養時に血糖値が低下すると、脳ではケトン体の利用が増加することから、ケトン体が低栄養を伝達するシグナルを一つと考えられている。しかし、血糖値が常に低値に保たれている反芻動物において同様の機構が存在するのかは明らかでない。脳内へのケトン体輸送はモノカルボン酸輸送担体(monocarboxylate transporter,MCT)により行われる。本研究の目的は、反芻家畜の実験動物モデルであるシバヤギにおいてMCT遺伝子cDNAの同定と、脳における遺伝子発現の解析を行い、低栄養シグナルとしてのケトン体の役割および脳内のケトン体感知機構におけるMCT分子の機能を解明することにある。研究第1年度にシバヤギ1型MCT(MCT1)の全コード領域(1506塩基)を含むcDNAの塩基配列を決定したが、本年度は同様の手法により、シバヤギ2型MCT(MCT2)をコードする遺伝子のcDNA塩基配列の同定を試みた。まず、成熟雌シバヤギ視床下部組織より調製した全DNAを用いてcDNAを作成し、このcDNAを用いて、他哺乳類のMCT2相同性の高い合成プライマーを作成してPCRを行った。その結果、シバヤギMCT2をコードする遺伝子の部分塩基配列を決定したが、今回用いた合成プライマーでは全コード領域を含むcDNAの塩基配列決定には至らなかった。今後は、MCT2の全コード領域の塩基配列の同定を行い、シバヤギ各種組織の全RNAを用いたRT-PCRによりMCI遺伝子発現を調べるとともに、MCT1およびMCT2遺伝子の塩基配列情報を用いてin situ hybridization解析を行い、シバヤギ脳内におけるMCT1およびMCT2 mRNA発現の局在を検討する予定である。
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