2007 Fiscal Year Annual Research Report
乳牛の乳腺感染における分子免疫学的応答の解析と機能修飾
Project/Area Number |
17580270
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Research Institution | Rakuno Gakuen University |
Principal Investigator |
永幡 肇 Rakuno Gakuen University, 獣医学部, 教授 (10133571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲波 修 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10193559)
桐澤 力雄 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (70153252)
林 正信 酪農学園大学, 獣医学部, 教授 (10130337)
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Keywords | 乳牛 / 乳腺感染 / 白血球機能 / 免疫機能修飾 / サイトカイン遺伝子発現 |
Research Abstract |
乳牛の乳腺感染における分子免疫学的な応答とその機能修飾への影響について継続して検討し下記の成績を得た。 (1)黄色ブドウ球菌(Saureus)感染乳腺中に出現する好中球を分離して、炎症性サイトカイン(IFN-gamma、IL-lbeta、TNF-alfa,IL-6、IL-8)のmRNAの発現を感染牛の血液中および乳中のそれらについて比較検討し、慢性潜在性感染牛の乳中に出現する好中球で顕著な増高を認めた。 (2)遊走因子としてのIL-8mRNAの発現増加とともにin vitroにおける好中球の走化性をアガロース法を用いて、炎症の経過について検討し、活性増高が体細胞数の増加とともに上昇することを明らかにした。 (3)好中球の微生物排除に関与する好中球・補体受容体CR3および免疫グロブリンIgG-Fc受容体の共刺激に伴う活性酸素生成および情報伝達系を検討し、牛好中球におけるその役割、MMP-9生成およびリン酸化の面からそれらの特徴を明らかにした。 (4)牛乳腺の感染防御能の将来的な増強を目的として免疫機能修飾を検討するために、ラクトフェリン分解産物(LF-H)および数種の微生物(Bifidobacterium spp.Lactococcus spp.)に対する乳腺の応答性を乳体細胞の関連遺伝子発現、異物排除活性、休細胞減衰率、炎症関連蛋白質の動態を指標にその機能修飾候補物質としての絵用性を評価した。
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