2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580272
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
西野 佳以 麻布大学, 獣医学部, 講師 (00271544)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斑目 広郎 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (20173768)
舟場 正幸 麻布大学, 獣医学部, 講師 (40238655)
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Keywords | ボルナ病 / ボルナ病ウイルス / ラット / 神経症状 / 中枢神経系 / 遺伝子変異 / 行動異常 |
Research Abstract |
ボルナ病ウイルス(BDV)はモノネガウイルスに属する神経向性ウイルスである。BDVは感染動物に不顕性感染する場合もあれば運動障害や行動異常などの神経症状を引き起こす場合もある。各ウイルス株の遺伝子配列は多様性に乏しいのに対し、宿主動物の種類や系統、年齢および免疫応答に依存して脳炎が生じることから、ボルナ病は宿主側の要因により発症病態が規定されると考えられていた。その一方で、成ならびに新生仔Lewisラットのいずれに感染しても重篤な神経症状を引き起こすマウス脳継代株(CRNP5株)も報告されており[J.Virol.(76)8650-8656,2002]、ウイルス側にも発症要因が存在することが示されている。H17年度は、ラットにおけるBDV-CRNP5株の病原性をさらに調べることを目的として、同株を新生仔F344ラットに脳内接種し、その感染病態を標準的な病原性を示すラット継代株(BDV-CRP3株)と比較解析した。 その結果、CRNP5株接種群では震顫、四肢の麻痺、自発運動の低下などの症状を示した後に感染20日目に致死的な病態となった。中枢神経系には脳炎は認められなかったが、各領域において神経細胞変性が認められ、感染12日目までに大脳外套、海馬、および小脳で病変が認められ、感染20日目まで病変は進行した。大脳外套においては有意なひ薄化が認められた。一方、BDV-CRP3株接種群では、観察期間中、明白な神経症状は観察されず、グリオーシス以外の中枢神経病変は認められなかった。 以上の結果から、BDV-CRNP5株は免疫応答が未熟な新生仔F344ラットに対し、Lewisラットと同様の致死的な神経症状を引き起こし、その発症時期や病変には差異があるが類似の病原性を示すことが示唆された。
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Research Products
(1 results)