2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580273
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Research Institution | Setsunan University |
Principal Investigator |
尾崎 清和 摂南大学, 薬学部, 講師 (40268496)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奈良間 功 摂南大学, 薬学部, 教授 (80268490)
松浦 哲郎 摂南大学, 薬学部, 講師 (20268494)
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Keywords | ラット / 糖尿病 / 末梢神経 / 形態計測 / インスリン |
Research Abstract |
方法:95週齢のラットを用い、以下の4群を構成した。15週齢のWBN/kobにアロキサンを投与し糖尿病を早期に誘発し95週齢まで糖尿病状態を継続させた群(AL群),同様のアロキサン誘発糖尿WBN/kobラットに17週齢からインスリンペレットを皮下に埋め込み血糖を制御した群(AL+I群)、約40週間の糖尿病状態を継続した自然発症糖尿病WBN/kobラット(S群)および対照としてF344ラット(C群)を用いた。それぞれの動物から坐骨神経、脛骨神経を採取しエポン包埋光顕標本、電顕標本を作製した。神経、神経内膜や血管の変化などについて光学顕微鏡、電子顕微鏡を用いて詳細に観察した。 結果:AL群で一般状態の悪化と体重の減少を認め、AL+I群では一般状態の改善とともに体重が増加した。高度の糖尿病状態をSおよびAL群では持続したが、AL+I群では血糖、尿糖値が正常値から高値まで変動した。運動神経伝導速度は、糖尿病の3群では、C群と比較して有意に低下したが、3群間での差は無かった。形態学的観察では、糖尿病の3群においてミエリン層板の離解、脱髄、髄鞘再生、軸索変性、神経内膜の線維化、神経束内血管の基底膜の重層化を認めたが、3群間に差はなかった。また、神経線維のサイズの分布にも差がなかった。 まとめ:アロキサンで誘発した糖尿病状態の持続および高度化により、WBN/kobラットの糖尿病性末梢神経症を重度化することは出来ず、インスリンによる治療もこのラットの糖尿病性神経症には顕著な影響をあたえなかった。
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