2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580276
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
松井 基純 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20374762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 陽一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20002256)
宮本 明夫 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, 教授 (10192767)
金子 悦史 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, COE研究員 (90374769)
川島 千帆 帯広畜産大学, 大学院・畜産学研究科, COE研究員 (20374770)
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Keywords | 卵胞嚢腫 / 卵胞発育 / 病態生理学 / 排卵障害 / 黄体 / 臨床獣医学 |
Research Abstract |
ウシ卵胞嚢腫作出モデルの確立: ・実験方法:PGF2α投与後にLHサージ発現前に主席卵胞を吸引除去し、その後、卵胞吸引を繰り返すことで、黄体不在期間を延長し、卵胞嚢腫の発生を調べた。 ・実験結果 1)PGF2α投与後42時間目に初回の卵胞吸引、その4日後に再度卵胞吸引を行った場合、吸引部位の黄体化あるいは2回目吸引後に卵胞発育と排卵が見られ、卵胞嚢腫の発生は認められなかった。 2)初回吸引の時期をPGF2α投与後36時間目に変更し、さらに、その4および8日後に卵胞吸引を行い、黄体形成の抑制および黄体不在期間の延長を試みた。その結果、供試牛10頭のうち5頭で、初回吸引から16日間以上、黄体の形成は認められなかった。さらに、そのうち4頭については、初回吸引から24日間、排卵および黄体形成は認められず、直径20mm以上の卵胞が持続的に観察された。 以上のことから、卵胞吸引により黄体不在の状態を延長した場合、約40%の個体で、排卵障害が発生し、卵胞嚢腫へ移行するものと考えられ、高率に卵胞嚢腫を作出できるモデルが確立された。 黄体不在の延長による卵胞嚢腫作出モデルにおける視床下部のエストロジェン(E2)感受性の評価: ・実験方法: 黄体不在の状態を延長が、視床下部のE2感受に及ぼす影響を調べるために、排卵障害を示したウシに対し、安息香酸エストラジオール(EB)を投与し、その後のLHサージの発現および排卵の有無を調べた。 ・実験結果 1)排卵障害を示した4頭のうち、1頭はEB投与に反応し、LHサージおよびその後の黄体形成が認められたが、他の3頭は、LHサージの発現はなく、その後10日間以上、卵胞嚢腫が存続した。 以上のことから、卵胞吸引により黄体不在の状態を延長した場合、視床下部のE2感受性が低下し、LHサージの発現が抑制されることで、排卵障害が発生し、卵胞嚢腫へ移行するものと考えられた。
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