2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
17580276
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
松井 基純 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (20374762)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 陽一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (20002256)
宮本 明夫 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (10192767)
金子 悦史 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, COE研究員 (90374769)
川島 千帆 帯広畜産大学, 大学院畜産学研究科, COE研究員 (20374770)
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Keywords | 卵胞嚢腫 / 卵胞発育 / 病態生理学 / 排卵障害 / 黄体 / 臨床獣医学 |
Research Abstract |
黄体不在延長による卵胞嚢腫作出モデルにおける視床下部のエストロジェン(E2)感受性の評価(継続試険): 実験方法 黄体不在の延長が、視床下部のE2感受性に及ぼす影響を調べるために、排卵障害を示したウシに対し、安息香酸エストラジオール(EB)を投与し、その後のLHサージの発現および排卵の有無を調べた。 実験結果 黄体不在期間の延長により排卵障害を示した6頭のうち、1頭はEB投与に反応し、LHサージおよびその後の黄体形成が認められたが、他の5頭は、LHサージの発現はなく、その後10日間以上、卵胞嚢腫が存続した。 以上のことから、卵胞吸引による黄体不在の延長の結果、視床下部のE2感受性が低下し、LHサージの発現が抑制されることで、卵胞嚢腫へ移行するものと考えられた。 プロジェステロン処置が卵胞嚢腫作出モデルにおける視床下部のE2感受性に及ぼす影響: 実験方法 黄体不在期間の延長による視床下部のE2感受性低下に対するプロジェステロン処置の影響を調べるために、卵胞吸引により作出した卵胞嚢腫モデルに対し、膣内留置型プロジェステロン製剤を7日間留置した後に、EB投与を行い、その後のLHサージ発現を調べた。 実験結果 作出した卵胞嚢腫モデルのうち、EB投与により視床下部のE2感受性が低下していることを確認した個体4頭を用いて、プロジェステロン処置の影響を調べた結果、3頭において、プロジェステロン処置後たEB疫与に反応し、LHサージが確認されたことから、視床下部のE2感受性が回復したことが示された。 以上のことから、本研究における卵胞嚢腫作出モデルに見られる視床下部のE2感受性低下は、プロジェステロン処置により回復すること、また、この現象は、自然発生した卵胞嚢腫の臨床病態と同様であるため、本モデルは自然発生した卵胞嚢腫と類似の病態であることが示唆された。
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