2006 Fiscal Year Annual Research Report
急性期蛋白糖鎖修飾の難治性ウイルス感染症における変動と機能解析
Project/Area Number |
17580280
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
岩田 祐之 山口大学, 農学部, 教授 (40193750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健 山口大学, 農学部, 助教授 (90284273)
奥田 優 山口大学, 農学部, 助教授 (10325243)
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Keywords | 急性期蛋白 / 糖鎖 / ウイルス / 感染症 / 癌 |
Research Abstract |
ネコα1酸性糖蛋白(AGP)の分離には腹水を用い、50%飽和硫安、酸沈殿後の上清について、DEAE-cellulose column chromatography、Sephacryl S-200ゲル濾過を行うことにより精製した。この精製AGPを抗原としてBalb/cマウスに免疫してMAbを作製し、更に精製AGPをウサギに免疫して抗血清(PAb)を得た。このMAbのAGPに対ナる特異性をWestern blot解析、PAbの特異性をWestern blot解析およびOuchterlony法により確認し、SRIDならびにdirect binding ELISAによるネコ血清中のAGP濃度の定量を試みた。 精製画分についてSDS-PAGEによる蛋白解析を行ったところ、分子量40〜50kDaの位置に淡い染色性を示す蛋白バンドが観察され、酸に対する高い可溶性と他の動物のAGPの分子量との比較から、ネコAGPであると考えられた。MAbsは8クローン得られたがそのアイソタイプはIgG_1(λ鎖)、IgG_2(λ鎖)、IgA(κ鎖)であり競合ELISAにより全て同じまたは近接したエピトープを認識する可能性が示唆された。Ouchterlony法においてPAbsはAGP、ネコ血清に対して連続した沈降線を形成し、ネコ血清中のAGPを認識することが判明した。そこで血清AGP濃度を測定するためにSRIDとdirect binding ELISAを行った。SRIDでは精製蛋白に対して沈降輪を形成したが、ネコ血清での沈降輪は不明瞭であった。ELISAでは、AGP濃度0.02-0.25μg/mlの範囲で測定可能であり、ネコ血清中AGPレベルは1.37±1.147(平均値±標準偏差)mg/mlであった。この定量系は将来FIPの診断あるいは急性期反応の指標として有用であると考えられた。
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Research Products
(2 results)